信濃追分 馬子唄道中  No.4741 ペン皿

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    馬子唄道中23日の日曜日、小雨が残る中で中山道追分宿は「信濃追分 馬子唄道中」で賑わっていました。追分節として新潟や江差に伝わる以前の、馬方の仕事唄として歌い継がれていた馬子唄を復活し、それを中心に宿場を通過する旅人姿なども再現。宿場を馬子唄に合わせて歩く祭りです。はたしてお公家さんが馬にまたがって旅をしたのか、細かい考証はさておき、そこはお祭り。屋台と花火のどこにでも見られる夏祭りとはひと味違う、テーマがはっきりした行事。その中でも、大名行列の再現にこだわらず、殿様、侍、花嫁行列から水戸黄門まで、なんでもありの庶民的雑駁さを楽しむ元気が出るイベントです。

     

    最近は「まごうた」と言うと「孫歌」と勘違いされるご時世。「馬子にも衣装」と言えば、派手な孫の衣装を無理に着てかっこつけている・・・? この辺り、律令制の東山道時代から長倉の駅(うまや)が置かれ、馬による交通・運輸と長倉の牧と呼ばれる官制牧場があったところ。馬に関しては千数百年の歴史を背負っています。

     

    4741ペン皿馬はかなり利口な動物で、次の宿場で乗り捨てても勝手に戻ると聞きました。その一方で、馬はのせる人を選ばない。草食動物は群れで暮らすことが多いのですが、群れのなかで上下関係はあるのでしょうか。群れで狩りをするオオカミなどははっきりした上下関係で行動するようで、オオカミが犬になっても主従関係が明確です。馬泥棒は出来ても、犬泥棒は難しい。よほど驚かさないと、馬は防御はしても攻撃はしない動物のようです。

     

    昨日の仕上げはペン皿。ちょっと変化させて非対称な形にみましたが、やはりまだまだ整った姿にこだわりがあるようです。もっと自由にとも思いますが、そこは買う人使う人があってこその仕事ですので、万人にとは言いませんがある程度の割合で好まれないと・・・という縛りがあります。

     

    No.4741 銀流し銅ペン皿 最大長約26cm 最大幅約16cm 重さ357g    

    税込み価格 ¥20,520

     

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    芸術・工芸・芸能 諏訪地方茅野市にその源流をたどる 縄文のビーナスとミシャグジ

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      縄文のビーナス/仮面土偶

                (写真は茅野市発行「縄文ガイドブック」より)

      先週土曜日、10分で終る実につまらない用事で松本へ。長野県では長野市か松本市に行かなければ用が足らないことがある。どちらも軽井沢から70km。高速道路が出来る前は、南信の山奥の村から県庁に行って会議に出る公務員が日帰りできないという状態があった。暑い松本の用事は朝一番にすませて、諏訪地方の2ヶ所に寄り道。道草の方がメインです。

       

      一つは尖石遺跡。といっても暑い中で遺跡めぐりはきつい。なにしろ八ヶ岳山麓には無数と言って良いほどの遺跡があります。今回はその中の目玉、茅野市尖石縄文考古館へ。目指すは土偶「縄文のビーナス」です。土偶の多くは複雑な装飾が施されている中で、このビーナスさんは頭部以外スッポンポン。ツルツルのお肌と、絶え間なく豊かに変化する曲線。これぞ「銅鍋の女神様」? 神棚も仏壇もない暮らしですが、作業場に飾っておきたいほど。拝む趣味はなく、むしろ再現したい対抗心というか、たえずムムムッという心情ですね。

      守矢家みしゃくじ

      言葉が記号化される以前、芸術、工芸、芸能・・・心情があらゆる表現の中に混然と渦巻いていた時代。古事記と律令制が成立する頃、使われ始めた文字により、心情が物語や教典に写し取られ、社会の仕組みが法令に記号化される過程で、古層の死生観や自然観が辺境に追われて残ったものの一つとして「みしゃぐじ」信仰が語られています。諏訪神社の御柱祭は弥生〜ヤマト以前の精神性を残しているかもしれないと言われる中でも、さらに広く東日本に残るみしゃぐじ。工芸や芸能の神ともいわれ、また境、境界の神とも考えられ、道祖神の源流かもしれないとされながら、なお実像が明瞭に焦点を結んでいません。

      写真は諏訪神社の神長官、守矢家に伝わる「ミシャクジ社」

       

      松本までは窓全開で走り、松本から諏訪まで高速にのって窓を閉めてエアコンに切り替えたが、クーラーが効きません。しばらく前からフロントガラスのくもりがとれないと気づいていましたが、軽井沢ではクーラーを使わないのでガス不足には気づかず。帰りは霧ヶ峰越えで、なるべく下界を走る距離の短い女神湖経由で立科町へ。通称、ビーナスライン。美の女神を巡る旅でした。

       

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      何が目当てか、花の中にハサミムシ No.4740 片手鍋 浅型4カップ用

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        ハサミムシとナスターシャム種から育ったナスターシャムも30ほどの花が咲いている。そして、その花の中に1匹ずつのハサミムシ。どれもがじっと動かない。はさみが下向いているところから、蜜や花粉を食事中とも思われません。上の葉はかなり食われていますが、ハサミムシが食べたのかは不明。ナスターシャムの独特の匂いに魅かれて、陶然と動かないのかもしれません。台所のゴミにやってくるので、変な匂いが好きなのでしょうか。

         

        ナスターシャムの花の形がなんだか耳の様に見えるのは、外国の言い伝えのせいでしょうか。英語名はEarwig 「耳の虫」? 寝ている間に人の耳に潜り込んで、脳を食べるという迷信からきているそうです。軽井沢の一般家庭にはゴキブリがいません。寒い冬を越せないせいですが、夜も暖房が効いているホテルにはいますが。軽井沢育ちの子どもがホテルに泊ることもないので、都会で下宿して最初に驚くのがゴキブリだと言われています。ゴキブリの代わりに家に入り込む虫は、半世紀前にはメクラグモ、その後は圧倒的にカマドウマで、ピョン虫とか便所コオロギと呼ばれる嫌われ者。メクラグモは外でも見かけなくなり、カマドウマもこの数年減っています。ハサミムシはとくに害もなく、それほど嫌われることもありません。昆虫としては珍しく、卵や幼虫を守って子育てするそうです。

         

        4740片手鍋浅4昨日は、片手鍋の浅型。左側の大きい方、4カップ用ですが、すりきり容量は1.3リットル入ります。味噌汁4杯分。そばやうどんなら1人分充分に作れる容量ですので、ミルクパンとするより片手鍋ですね。毎日何度か使う道具でしょう。

         

        No.4740 片手鍋 浅型4カップ用  

        直径16cm 本体高さ7.5cm 

        全長30.5cm 重さ709g

        税込み価格 ¥45,360

         

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        遅霜にやられ成長を諦めて花を咲かせたアサガオ  No.4739 掛花入れ

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          アサガオ開花アサガオがやっと咲いて、さあ夏です。梅雨前線と言って良いのかも判りませんが、前線は北海道よりさらに北へ。強い小笠原気団に押し上げられたというのではなく、オホーツク海側に高気圧が出来ず、大陸から移動してきた低気圧に引っ張り上げられた感じ。次に移動してくる高気圧で、また押し下げられるかもしれません。

           

          それでも待望のアサガオが開花。ナスターシャムの種と一緒に蒔いたのですが、晩春の低温で芽がやられて茎が伸びず、地際につけた3個の蕾。他の数本はそれでもふたたび芽を出し、なんとか茎を伸ばし始めています。茎がないこのアサガオは、とりあえず花を咲かせて、その後茎を伸ばすことが出来るのでしょうか。あるいは、はやばやと種を作って仕事を終えるのかもしれません。当分、観察の対象ができました。透明感のある優しい色合いですが、これを薄幸な美しさと感じるのはあまりにも人間の思い込みですね。

           

          4739掛花入れ

          二つ前の記事と同じ作品に見えますが、銀流しの柄を上下反転して、下ぶくれにしてみました。良し悪しは使う人の好みです。酒器のように円筒形の全周に銀を流すと融けた銀が下にだれるので、ペン皿やこのように一面のみの銀は、融かして塗り付ける工程がいくらか楽です。その分、帯状に一周させるのと違い、デザイン力が問われます。中期縄文土器の文様が、それ以後の全周帯状の連続文様と違い、造形と飾りの混然とした上下のつながりを持つ自由な感覚を取り入れてみようと。しかし、まだ形の自由さは出せていません。自由と言うのは意図して出すと、わざとらしいウソっぽさが見えるのが怖いところです。

           

          No.4739 掛花入れ 高さ19.7cm 直径5.3cm 重さ383g

          税込み価格 ¥23,760

           

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          キクイモの花で蜜を吸うホシミスジ  No.4738 片手鍋深型4カップ用

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            ホシミスジキクイモが花盛り。そのうえ、あちこちに増殖しています。邪魔になったら抜くより、枯れてから芋を掘り起こして食べればいいと思っているうちに増えてしまいました。花も多いが葉もたっぷり茂り、場所ふさぎですが、その豊富な葉ででんぷんを作り芋に蓄えるのですから、葉の多いのも良しとしなければなりません。それに、芋はインシュリン代わりになると言う薬効も書かれていますが、ほんとうかどうか、糖尿病の人が薬の代わりにキクイモを食うということは避けて下さい。

             

            キクイモの花にやってきたのはホシミスジ。以前、図鑑の細かい文字を読み間違えて、ホンミスジと書いたことがあったかもしれません。翅の裏側、体の近くにいくつもの黒い小さな丸が見えますが、それがホシの名前の由来です。とまっている時はたいてい左のように翅を広げていることが多いので、ゆっくり裏側を見る機会は少ないかもしれません。濃い色の翅を広げて、日光の暖かさをいっぱい浴びたいのでしょうか。背の部分に青緑色の逆Uの字が良く目につきます。

             

            4738片手鍋深4さて、昨日は昼間の暑さが作業場では耐え難く、午後の2時間ほど涼しい事務部屋で本を読んでいました。その分作業は遅れて、仕上がったのは8時半すぎ。もともと朝方の人間で3時半から4時の間には起きています。夜型の人に言わせると、そんな時間は朝ではないと。歴史は夜つくられるかもしれませんが、銅鍋造りは音が出るので夜にはむいていません。

             

            No.4738 片手鍋 深型 4カップ用  すりきり容量約1.2リットル 右は3カップ用(すりきり1L弱) 口径13.2cm 本体高さ8.8cm 全高14cm 全長27cm 重さ725g

            税込み価格 ¥48,600

             

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