都は花吹雪の頃、雪にも負けずイヌナズナの満開  No.4822長円フライパン

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    春の吹雪

    各地の桜の便りも、今は花吹雪のころと聞きます。こちらは強い風とともに舞い散るのはほんとうの雪。そろそろ蕾もふくらみ始めるシャクナゲも白く変わり、一時は白銀の世界に逆戻りです。風が納まり雲が晴れれば、春の陽射しは強く、数時間で融けていく雪の下からは一面にイヌナズナの花。白い花のナズナもありましたが、群生は見つからず、白い花は雪に紛れて目立ちません。佐久地方では春先にナズナを摘んで食べる習慣がありますので、誰かが食べてしまったせいで見つからなかったのでしょうか。花見が待ち遠しい飲ん兵衛(私のことではありません)にはうらめしい春の吹雪でした。待ちきれずに週末、上田まで下って花見をすませた人もいます。

     

    3月中のオーダーの仕事を納めて、春休みの孫たちの相手も終わり、秋の展覧会シーズンに向けて作りだめ開始。ぎりぎりになると足りないレギュラー作品に追われるので、余裕のあるうちに新作や冒険作に取り組みたいところ。昨日は横長のフライパンです。上縁を平らにせず、長円鍋と同じように湾曲させて、躍動感を出してみました。魚のムニエルやソーセージを食卓にそのまま出す場合、持ち手は短く横っ腹につけた方が邪魔にならないでしょう。楽しく使っていただきたい道具です。

    4822長円フライパン

    No.4822 長円フライパン 本体長径27.3cm 短径17.4cm 本体高4.8cm〜3.9cm

     持ち手長13.4cm 重さ683g  税込み価格 ¥58,320

     

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    スイセンは自己愛の美少年??? No.4821 小さな片手鍋浅型

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      スイセン2種

      チューリップのように掘り起こして植え替えしているようすはないが、毎年この時期には元気に咲いている。よく見ると5〜6種類はありそうですが、どのタイプも野生の強さを失ってはいないようです。毒があるので食べられることもなく、落葉樹が葉を広げて日陰になる前に一年の勤めを終えてしまう。地中海の暖かい気候が似合いそうですが、寒い軽井沢で氷点下になっても影響は見られません。

       

      ギリシャ神話の世界では、水に映った自分に恋したあげくに死ぬ美少年として登場する。1本だけならそんな気配もするが、群生していると笑顔でおしゃべりな子どもの集団。自己愛やら自己陶酔とは無縁な仕事暮らしですが、アーティストや職人には意外にそのタイプの人も多い。昔ならベレー帽にパイプ、今は作務衣。自分が作品になってしまって、蘊蓄と苦労話を語る。私の仕事場、高価な工作機械があるわけではないが、下手すると痛い思いをする道具がところ狭しと散らかり、踏むと足に穴が開く銅板の切りくず、むき出しのガスバーナーや硫酸のバット。とてもお客様を招き入れて、自慢話ができる環境ではありません。

      4821片手鍋浅

      作者はどうでもいいのですが、たとえ鍋と言えども作品は美しいにこしたことはありません。小振りでシャキッとまとまりの良い感じに仕上げました。1〜2人の食事では応用の広い形です。

      No.4821 片手鍋 浅型木蓋つき 外径18.9cm 内径17.1cm 本体高さ5.6cm 

       持ち手長14cm 重さ549g  税込み価格 ¥48,600

       

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      星のヒヤシンス? イタリア製厚手片手鍋の修理

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        星のヒヤシンス

        昨朝は氷点下でしたが、今朝は4度ぐらい。半世紀も前のことだったと思いますが、春になると多くの家の窓辺にヒヤシンスが咲いていました。いわゆる水栽培とよばれる大きな徳利型のガラス容器の上の半球形部分に球根をのせて並んでいました。球根からは下の水に向って根が伸び、葉が出て茎が伸び花が咲く。植木鉢や土がなく、なんとなく現代的、人工衛星や宇宙探検の時代にふさわしい新鮮さを感じていたのでしょう。

         

        すっきりと片付いてシンプルな色調の家には似合いそうですが、いたるところ、窓辺りと言えども雑然と道具やら本やらが積んである仕事場では、人工的な色数が多すぎて、植物の色がくすんでしまいます。冬枯れの寂しい大地から緑が芽生え、鮮やかな花の色に出会う喜び。スイセンやクロッカスの大振りな花ではなくても、陽射しに向って咲く小さなオオイヌノフグリでも、春の到来を目一杯告げているようです。写真左は「星のヒヤシンス」というらしい。正式な名前はちょっと調べただけでは見つかりませんでした。右は原種に近いヒヤシンスでしょう。花茎が伸びて横向きに咲いていますが、地際で上向きに咲く鮮やかな空色の花の強い印象にはかないません。

         

        片手鍋修理/石井健夫

        昨日修理したPentole Agnelli 社製の片手鍋。直径16cmあまり深さ10cm弱の割には重さが1.2kgあります。真鍮鋳造の持ち手が重いこともありますが、本体の銅板の厚さも2.5mm としっかり作られています。家庭用と言うよりプロ用として作られたものでしょう。この厚さになると、板金から手で鎚ち絞るのは不可能ではありませんが、特別なオーダーでなければちょっと厳しいかなというところです。この製品も機械的に成形したのち、側面を鎚って締めているようです。持ち手の裏側には、滑り止めの出っ張りが3段。良く考えられています。私が作る片手鍋の真鍮持ち手は、鋳造ではなく丸棒から鎚ち伸ばし、上面と側面に横向きの鎚目を施すことで滑りにくくしています。

         

        左上が依頼された時の状態で、汚れやこびりつきはなく、錫のはげ落ちと多少の腐食が見られます。錫が少しはげたぐらいで錆が出ていなければ使用上の問題はありませんが、銅素地に腐食が見られる場合はそれ以上進まないように早めに錫引きをいした方が良いでしょう。焼き鈍りや変形はなく、錫の引き直しのためにクリーニング。いったん、残っている錫を全て取り除き、その後に新しく錫引き。錫引きは本体全体を加熱しますので、その際に生じた汚れを硫酸で落し、ピカピカに磨き挙げて新品同様(新品の状態を見たわけではありませんが)に仕上げ。強度の空焚きや変形がなく、鎚ち直しが必要ない場合は、私が作っている同じ大きさの鍋の新品価格の20%程度の修理代になります。

         

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        1994年作、かなり使い込まれた両手鍋の修理 No.1416 

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          1416両手鍋基本形修理

           

          22年前に作った両手鍋ですが、良く使い込まれたうえに、強い空焚きで焼き鈍り、変形も起こしていました。大きさは直径が21.2cm、本体高さ8.4cm、最近のものではNo.4743 とほぼ同じ大きさです。焼き鈍るという状態は、銅の地金が高温になって柔らかくなり、冷えた後も柔らかい状態のままになることを言います。「鉄は熱いうちに鎚て」と言われるように、金属は一般的に高温では柔らかく加工しやすい状態になります。鉄は冷めると再び硬く戻りますが、銀や銅は冷えても柔らかい状態が維持されます。柔らかくなった銅をたたいたり曲げたりすると、硬くなり、鎚ち締めると言いますが、一般的には加工硬化とよびます。

           

          この性質を利用して、一度高温で焼き鈍した銅板を冷えてから手で持って、利き手の金槌で鎚ち変形させていく工程が、鍛造とよばれる作業です。一通り全体を鎚つと加工硬化で硬く、変形しにくくなりますので、再び高温に加熱し、焼き鈍ったものをまた鎚ち変形を繰り返します。深い形ほど、その工程を多く繰り返して目標の形に成形し、最後に何度か表面をきれいに整えると同時に硬く鎚ち締める仕上げ鎚ちの後、持ち手をつけます。強い空焚きは仕上げ鎚ち直前の焼き鈍った状態に戻っていることなります。

           

          今回の鍋はこびりつきや汚れをクリーニングすると、何度か空焚きしたようで、内側には銅地金の腐食が見られます(写真左上)。そのデコボコを少しでもならすために、少し強めに底の部分を鎚ち締めると、地金がいくらか伸びてきます(中段左)。底からの立ち上がりと側面も打ち締めますが、持ち手をはずすことが出来ないので、新しい地金から鎚つより難しい作業となります(右上)。今回は予想外でしたが、蓋も焼き鈍っていましたので、ツマミを取り外して鎚ち締めました。

           

          よく使い込まれた上に強い空焚きがあると、錫引きが容易にはできません。油に馴染んでいるのか、表面が変性しているのか、原因はよく解りませんが、融かした錫を表面に流して、のりの悪いところを削り落し、再度錫をひく作業を何度かくりかえします。特に今回は底の部分の腐食をしっかり覆うように、厚めに錫をのせました。最後に、一連の作業で汚れた外面をクリーニングしてから、いぶし色に変化させる硫化仕上げと、磨きで完成です。

           

          仕上がり寸法は直径21.4cm 本体高さ8.7cm 全高約22.5cm 全重2.01kg

          修理代は現在の新品価格の30%程度です。

           

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          葡萄風信子とは?? オープンが楽しみな小布施「蔵部」 酒器No.4818,19,20

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            ムスカリ2018.3.ブドウヒヤシンスと言って判る人がいるのだろうか。和名は葡萄風信子で、こちらは何やら風情漂うお名前ですが、やはりこの花を思い浮かべる人はあまりいないでしょう。開く直前の花は逆さ葡萄のようでもあります。春風に乗って季節の便りを伝えてくれる花と言うことでしょうか。球根植物としては背丈が低く、チューチップやスイセンの裾を埋めるように植えると良さそうです。一昨日の雪が融けた途端に咲き始めました。

             

            4818,29,20,酒器小小大

            酒器のオーダー、最後に小を2本と作りかけていた大1本を仕上げ。さっそく各10本を納品し、一安心。使われるのは小布施の「蔵部」で、4月中旬にオープンの予定だそうです。北斎館や高井鴻山記念館などが並ぶ小布施の中心地に、古い造り酒屋の酒蔵を改装して、美味しいお酒と料理を提供するレストラン。桜、桃、杏、林檎の花が終る頃には杏の実が実り、次々と収穫が進む豊富な野菜と果物・栗。一日で粋な芸術と花と豊穣な食材、端正な地酒を堪能できる現代の桃源郷です。

             

            No.4818 酒器小 口径5.6cm 底径6cm 高さ14.1cm 重さ306g 税込み価格 ¥21,600

            No.5819 酒器小 口径5.7cm 底径5.9cm 高さ14cm 重さ305g 税込み価格 ¥21,600

            No.4820 酒器大 口径6.6cm 底径6.8cm 高さ17.1cm 重さ458g 税込み価格 ¥25,920

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            春の雪は湿っぽくて重たい  No.4816,4817 酒器 大小

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              20180322雪低気圧が予想より南を通りましたが、にもかかわらず昨日は未明から気温が上昇し、雪は重たくべたべた。多いところで25cm近く積もりました。降り積もるさきから自重で圧縮された結果ですので、気温が低かったら40cmぐらいまでいったのではないでしょうか。重たい雪を夜明けとともに雪かきで、大汗かいて朝風呂。その後にやっと空きっ腹のお世話をすることに。たぶん、隣近所みんな同じパターンでしょう。これが土日祝日だと、軽井沢の住民は仕事が忙しい観光業・接客業と朝寝坊できる勤め人に二分されて、雪かきの時間もちぐはぐに。どちらかと言うと、仕事前に急いで出てくる人が、朝寝坊さんのところまで雪かきすることになります。

               

              4816,4817酒器大小

              さて、昨日も酒器の大小を仕上げ。前回は上から覗き込んだ角度の写真を載せましたので、今回は裏返して底をお見せします。お酒の量をケチるために上げ底なんて、飲ん兵衛さんをがっかりさせるようなことはありません。2合用と1合用としていますが、実際はそれぞれ420ml、220ml は入りますので、冷や酒では2.3合と1.2合。お燗するとお酒は膨張しますのでちょっと少なめに入れて下さい。底の刻印は作者の名前です。鏨(たがね)を小さな鎚で打って彫ります。字画が少なく直線なので、それほどむずかしい作業ではありませんが、失敗すると直しが困難です。底板をはめる前に打ちます。

               

              No.4816 酒器 大 口径6.6cm 底径6.9cm 高さ17cm 重さ459g

               税込み価格 ¥25,920

              No.4817 酒器 小 口径5.6cm 底径6cm 高さ14cm 重さ307g

               税込み価格 ¥21,600

               

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