高さ73mm 重さ1.15kg
折り返し部までの容量約1.6L
税込価格 ¥92,400
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12日の昼過ぎ、標高が300mほど低い佐久市に出かけた時は雨。気温は4度。帰り道の御代田町ではみぞれで気温は3度。軽井沢に戻ると雪で気温は2度。プラスの気温でも雪になるのは、上空は0度以下だからか。2〜4度が雪と雨の境目。累計するとこの冬はすでに1mを超えているだろう。降り始めが2月に入ってからなので、強い昼間の日差しで融けるから助かっているが、1月だったらかなり難儀しているだろう。
明け方まで降ったらかなりの積雪になるのを覚悟していたが、早めに止んだらしい。傾いた屋根の左部分は昨日の新雪。右の一段高い部分は、残雪の上に積もった新雪。場所によるが10〜15cmといったところか。先月以来、何度目の雪かきだろう。春の雪は重い。
酒器大小を仕上げて、小の方は他の鍋4点とともにすぐ出荷、九州のギャラリーに向けて発送。5月中に酒器大小10個ずつのオーダーがあるので、在庫がほとんどないという状態が当分続きそうだ。
作っているものは飾りものではなく、どれもが道具。誰かが使うことで存在価値が生まれるのだから、作ったものがどんどん人手に渡っていくのは当然のこと。仕事場に展示場や個人ギャラリーを持つことは終生なさそうだ。
No.5653 銀流し銅酒器 小
口径56mm 底径58mm 高さ141mm 重さ304g
税込価格 ¥27,500
No.5654 銀流し銅酒器 大
口径65mm 底径68mm 高さ170mm 重さ459g
税込価格 ¥33,000
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ふだんは一日中下向いて仕事しているが、雪や霜の輝く朝はたまに見上げることがある。葉が茂っている時期には見にくい木々の枝ぶりが分る。左はコブシ。花芽が膨らんでいるが、開花まではまだ1ヶ月あるだろう。大きな枝も小さな枝も太陽の光を葉が無駄なく浴びられるように、左右に広がって伸びている。
右はカラマツ林を背景に立つイチョウ。落葉広葉樹の印象があるが、葉を落として幹と枝だけになると、針葉樹の樹形を思わせる。イチョウは針葉樹と広葉樹という分類からはちょっと外れた特殊な存在。進化の系統をたどると、古い時代の植物の生き残りらしい。秋の鮮やかな黄色の落ち葉を見ると、広葉樹の網目状の葉脈とは違う構造。葉の形から鴨脚(いちょう)と書くことも。ナッツ類とは違う不思議なギンナンの味。古いと言われようが「化石」と下げずまれようが、イチョウは貴重。
内径が約20cm。和食なら鍋料理、湯豆腐、煮物、いろいろいける。そこは洋食でも一緒で、用途の広い道具です。卓上コンロでも、オーブンに入れてもよし。
通常、もとになる銅板のサイズは直径が・・26cm、28cm、30cm、32cm・・・と2cmおきの偶数で作りますが、これは29cm。成形型があるわけではなく、フリーハンドで鎚つので奇数サイズだからと言って何か変わることはありません。手間も28cmと30cmの間ぐらいなら、価格も中間。のせる木蓋も2cmきざみで売っているので、なにも問題はありません。オーダーされる時はご希望の内径や高さと容量(この場合は折り返し部までの)を言っていただければ、それに近いサイズで仕上げます。なかなかぴったりとは仕上がりませんが・・・腕が悪い?気まぐれ?腹の空き具合?虫の居所?
No.5662 両手鍋 丸縁 木蓋
外径257mm 内径210mm 高さ73mm 重さ1.15kg 折り返し部までの容量約1.6L
税込価格 ¥92,400
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しばらく前の雨氷の写真。若いナラの小枝が氷に包まれて、何倍もの太さで輝いている。
少し前コロナ以前の話ですが、国民総生産GDPを比べるより、幸福度を比べることが流行ったこともある。先ほど、日本のGDPはドイツに抜かれて4位に後退と騒がれていたが、日本の人口はドイツの1.5倍ほど。国民一人当たりで計算すると31位らしい。幸福度では47位だとか。
スイカズラの芽と葉が氷に覆われ、あたかも「春の氷漬け」。立春のあたりから雪が多く、昨日も20cmほどの重たい春雪を雪かき。軽井沢では5月の連休明けに雪が降ったこともあるので、今年特別に寒いわけではない。天候の揺らぎ幅が大きいということか。社会の揺らぎも大きいが、それを見る人の心は氷漬けになってはいないだろうか。
明け方まで降った雪は積雪20cm程度だろうか。前の雪が残っているところは30cmを超えている。気象庁も「警報級の大雪」などと曖昧なことを言わず、大雪警報の放送が流れた。
朝から雪かき。春の雪はベタベタひっつく重たい雪で、朝飯前に路地を1m幅で60mほどの雪かき。さすがに腹が減ってフラフラ。
1月にオーダーを受けた両手鍋「酢重鍋 小」。最後の工程、錫引きと硫化仕上げの直前に「酢重」の銘を彫り込むのだが、ここで失敗するとそれまでの20時間の仕事が無駄になる。タガネ(小さいノミのようなもの)を金づちで打って彫るのだが、アカギレだらけでボロボロの指が痛む。
No.5661 両手鍋 銅蓋 銘「酢重」
口径187mm 本体高92mm 全高193mm 全重1.58kg すりきり容量約2L
税込価格 ¥132.000
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二十四節気では「雨水」が終わって今日から「啓蟄」だという。雨水の2週間、確かに雨が降ったが、その雨は凍りついて雨氷に。それから何度も雪が降って、昨日も小雪が舞っていた。
下界ではソメイヨシノはまだだが、いろいろな桜の咲く写真がインスタに掲載されている。菜の花も咲いて、虫たちの出番だろう。こちらでは、手前左のオオヤマザクラの蕾もまだ硬く、虫たちの春はまだまだ先のこと。それでも陽射しには春の強さが感じられ、鳥たちには虫より先に春がやってくるようだ。
なだらかな丘の向こうに険しい山の見える雪国の光景?にはちょっと無理があるが、大きさのわかるものがないと全体のスケール感が判らない。手前のふくらみと遠景の間には路地があって、そこから雪かきで積み上げたのが後ろのゴツゴツ。せいぜい50cmほどの高さ。
小さなものを見ながらそこに大きな風景を感じ取ることは、錯覚とは限らない。積極的に「見立てる」ことがある。茶碗の底のシミ、壁や天井の汚れが何かに見える。盆栽や盆景を楽しむ。子どもが自分でも操作できるミニチュア玩具。大人になっても好きな人が多い。物差しを取っ払うと、小さな世界が大きく広がる。
このところ中型の鍋の下ごしらえばかりだったので、久しぶりの完成品。両手鍋長円縁ですが、浅めのバランスなので広く感じます。半年ほど前に作ったものをお買い上げいただいたお客様から、もう1点というオーダー。寸法と簡単な写真は残っていますが、曲線の微妙な感じは再現できているか判らない。寸法というのは2点間の直線距離で、2点間には無数の曲線が引ける。直線は1本しかないが、曲線は自由自在。全てが曲線と曲面で構成されるこのデザインは数字だけでは再現しにくい。一度に同じものをという注文の場合は、まあこんなものかと見比べながら作るのだが。
No.5660 両手鍋 長円縁 木蓋つき
全長331mm 外径287ミリメートル〜 内径248mm
全高78mm 折り返し部までの高さ44mm 重さ1.31kg
税込価格 ¥137,500
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雨氷に包まれて輝く草や木。地表は氷点下だが上空は温かいのか、降る雨が雪にならない微妙な気象条件で見られる雨氷。細い枯れ草に降った雨が凍り、次第に太く。一気に重くなればすぐに倒れる枯れ草でも、形を保ったまま少しづつ氷をまとってそのままの姿で氷漬けに。踏んで歩くのがもったいないような・・・。枝に残るナラの枯葉も雨氷に包まれて輝く。まだ冬枯れの世界に幻想的な光景をもたらす。
このところ、株価の上昇で世間は騒いでいる。ほぼこの国だけがGDPマイナス成長にもかかわらず、なぜ? 中小企業の倒産は増え、インボイスの影響もあって零細・個人事業者の廃業も多い中で、なぜ株価が高騰するのか。早晩、融けて消える輝きではないのか。
仕上げ鎚ちに入って手こずった片手鍋浅型小。6時間ほど予定より余分にかかったが、半日遅れといったところか。生ものではないので、時間の経過は出来不出来には関係ない。
前作、片手鍋浅型大との比較。元の銅板直径は小が22cm大が24cm。口径が151mmと160mm、本体高が75mmと78mm。あまり意味はないが、口径x高さは11325対12480。元の銅板直径は大が1.09倍。口径x高さでは1.10倍だが、容量は1Lと1.3Lで1.3倍になる。立方体では一辺が1.1倍になると体積は1.33倍になるが、上が閉じていない器では少し少なくなると言ったところか。価格の比は1.08倍だから、大きい方が割安ですが、毎日使う道具ですので使いやすいサイズを選んでください。
No.5569 片手鍋 浅型小
口径151mm 本体高75mm 重さ642g すりきり容量約1L
税込価格 ¥52,800
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一度すっかり春の気温になった後、しばらく雪や雨氷の日が続き、一昨日は一日中降り続く。世間は3連休だったらしい。週明けの朝は朝飯前に雪かき。雪道を小・中学生が登校していく。重たくベタつく雪で冬枯れに森はウェディングドレスをまとって輝いている・・・というのは人間様の勝手な感傷で、枝が折れる木にとっては迷惑な雪だろう。積雪は20cmほどだが、前の雪が残っていたところでは30cm近い。
雪の重みに耐えているように見えるアセビ。つぼみがかなりふくらんでいる。気温が低いと雪はサラサラで、昨日のべた雪のようにのしかかられることはない。早くからたくさんの蕾を用意して、きっとたくさんのタネをつけるのだろう。毒があるのでタネも小さな苗も生き残る確率が高いと思うが、それにしてはそこら中アセビだらけ、という増え方はしない。抑制因子はなんなのだろうか。シカやウシも食べない毒の木にも天敵がいるのだろうか。
続けて片手鍋浅型大。深型の方は圧倒的に小(3カップ用)が多いが、浅型は大小半々ぐらいか。大はすりきり容量が1.3L。汁ものだけではなく短時間の煮物にも向くので、用途は広い。
「大は小を兼ねる」と言って大きい方を選ぶ方もいれば、ぴったりサイズが使いやすいと思う方もいる。いつでも自由にサイズを選べるよう在庫を増やしたいが、1月末の展示秋終了後、在庫は底をついたまま増えない。この片手鍋もオーダーで、行き先は決まっています。
No.5658 片手鍋 浅型 大
口径160mm 本体高78mm 重さ742g すりきり容量約1.3L
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昨日2月24日は左の雨氷と右の氷柱(つらら)が同時に見られた。どちらも氷には違いないのだが、雨氷のもとは雨で氷柱の元は雪。地表近くの温度が氷点下で降った雨が凍るのが雨氷。上空の気温も低いと雨にならず雪が降るので、0度前後の微妙な温度の時にできるようです。地表近くの植物などが雨で濡れてその水が凍り、さらにそれに降った雨が次々と凍ることで、厚い氷を纏うようになる。
一方の氷柱(つらら)は屋根などに積もった雪が昼間の陽射しや屋内からの熱で融けて水になり流れ落ち、気温が氷点下だと陽射しの温もりがない軒の端っこで再び凍る現象。雨氷は気温が低い雨の日に見られ、氷柱は晴れの日に見られることが多い。氷柱はその中に何も芯になるものがなくてもできるが、雨氷は雨水を表面に受け止める何か、木の葉や枝がないとできない。一昨日は車全体が5mmほどの雨氷に包まれて、ドアも開かず、お湯をかけて融かす羽目に。
片手鍋の浅型、よく雪平鍋と呼ばれるタイプですが、大小作っていてこちらは大きい方。すりきり容量は1.3L。実用上4〜5カップ。小さい方で1L、同3カップ以上。
デパートの展示では会場が広いせいか、大きい方がよく売れます。人数にもよりますが、ミルクなら小さい方、味噌汁なら大きい方かなというところ。ちょっとした煮物にも使えて、出番の多い道具です。
No.5657 片手鍋 浅型 大
口径165mm 本体高78mm
重さ751g すりきり容量約1.3L
税込価格 ¥57,200
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一昨日の雨が今日は雪。変な雪で顔の当たると痛い。氷が混ざっているのか。気温が下がってひょうてんか4〜5度、降る雨どんどん凍っていくので、枝や葉の周りには分厚い氷。雨氷と言うのだろうか。写真はスイカズラを覆う分厚い氷。
今日は灯油の安売り日なので、昼休みに出かけようとしたら、汚れたオンボロぐるまが輝いている。車が大きな氷の塊になっていいる。もちろんドアも開かないのでエンジンをかけて温めることもできない。ドアノブやドアの隙間にお湯を注ぎ、フロントガラスには風呂の残り湯を。雪より10倍は手強い相手。生命の源、水は変幻自在。
今朝23日は普通の雪が積もっている。気温は氷点下5度。一昨日まで菜種梅雨のような前線が列島南岸にあって雨だったのが、昨日から気温が下がり、雨と雪と氷が混在。降った雨が凍りつく雨氷?
たぶんナラの枝だと思うが、去年の残り葉も今年の新芽も氷の中に。枯葉は良いが、新芽は生きているのだろうか。動物なら凍死と窒息死のダブルパンチだが、植物は平気なのかもしれない。春になってみないとわからないけれど。
バレンタインとやらも終わってつぎはひな祭りかと思っていたら、世間は今日からまた3連休らしい。今月は閏年で29日あるが、休日祝日が10日なのでサラリーマンが働くのは19日ということか。ちょっと浮かれすぎではないだろうか。
働きたいときに働き、休みたいときに休むというのが理想かもしれない。一斉に休日祝日を決められても、休日の方が忙しい職業もたくさんあるし、私のように関係ない者もいる。もっと自由に、もっとしなやかに・・・。
No.5651 銀流し銅酒器 小
口径56mm 底径58mm 高さ141mm 重さ305g
税込価格 ¥27,500
No.5652 銀流し銅酒器 大
口径66mm 底径67mm 高さ170mm 重さ460g
税込価格 ¥33,000
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立春の翌日2月5日。大雪の深夜に訪問者。キツネ、正確には北海道のキタキツネと分けて、ホンドギツネと呼ばれている。冬の間が交尾期で、もうパートナーを見つけているだろう。早ければすでに子供がいるかもしれない。雪の夜も縄張りを巡回しているのか。雪の下で動くネズミの気配を探しているのか。餌となる小動物が増える春に、子どもが育ち盛りになるように、キツネやフクロウは出産が早い。
翌2月6日の朝。暗いうちに一仕事。夜明けとともに雪かき。屋根を見るかぎり積雪は30cmだが、昨夕15cmの雪をかいた所には、その後25cmの積雪。降雪量としては40cmあったようで、雪の自重で30cmに沈んだと言うことか。表の路地のほか、仕事場の玄関、車周り、資材置き場の前。かいた雪が1mまで積み上がる所もある。
雪かきの後は朝飯たっぷりで美味い。朝風呂でゆっくり。コーヒーも美味い。融ければ消えるなくなる雪なのに、なぜか仕事以上の達成感。
途中まで進んでいたが、銀座三越の展示販売が終わって、後片付けやら売り上げ記録やらで1日潰れて、二日後にやっと仕上がった片手鍋 深型小。これもすぐの旧軽井沢のDark Eyesに納品。Dark Eyesではしばらく展示品が底をついていましたが、この週末は7点展示再開です。酒器がない、両手鍋銅蓋の大きなものがない、かんつけがない、コーヒードリッパー がない・・・まだまだないないづくしですが、大急ぎで拡充しいていきます。
No.5647 片手鍋 深型小(3カップ用)
口径125mm 本体高80mm 重さ653g すりきり容量約950ml
税込価格 ¥55,000
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立春を過ぎたとは言え、今朝も氷点下10度。今日は列島南岸を低気圧が東に進み、大雪かもしれない。前回の「警報級の大雪」は空振りだった。
ヤマアジサイ。すでに枯死しているが雪をかぶっても毅然している。動物の死とは異なる姿。まだ残っているタネのためだろうか。花としては死んでいても、その下の茎は生きているからだろうか。
枯れ落ちて土に還り春には栄養となって循環するより、この状態で残ることがヤマアジサイの繁殖にとってなにか有利なことがあるのだろうか。あるいは役目が終わった花のことなど、お構い無しでほったらかされているだけだろうか。ドライフラワーなどという、生物学的には植物遺体に美を感じる人間の感傷かもしれない。
枯れ木残らず花が咲く・・・童謡の歌詞にしてはなんだか年寄りくさい。回春の願いととるのは穿ち過ぎだろう。シオンのすでにタネを飛ばして枯れた花の残骸。残骸という単語もなかなか厳しいが、ほかに良い言葉が見つからない・・・ということは正確な表現と認めざるを得ないか。潔く消え去る・・なんて、先のことは決められることでもない。
銀座三越展の3日目は会場滞在のお休みをいただいて制作。なんとか1日で片手鍋を完成しようと思いましたが、無謀でした。夜7時ごろ、どうやっても仕上がらないと諦めて。途中まで進めてあった銀流し銅ペン皿を仕上げ。
長辺225mm 短辺113mm 重さ337g。今回、外形は直線的に仕上げました。ペン皿としていますが、用途は色々。お店のレジでお客様にキャッシュやカードおいてもらっているというのもあります。
No.5646 銀流し銅ペン皿
税込価格 ¥20,900
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本日28日(日)、銀座三越本館7階ジャパンエディション/ エムケイ・クラフト 展示会場には10時半ごろから6時ごろまでいますので、お立ち寄りの際は声をお掛けください。
台風とか雷とか、自然現象をどう感じるかは年齢でかなり違う。それほど雪が積もらない地方で育ったこともあるが、子供の頃の雪は楽しかった。下校時には解けてなくなることが多いので、朝早く校庭に向かった。子育ての頃も、一緒に楽しんでいた。年取ってからも、視界が白く一変するとなんだか愉快になる。冬枯れの中に埋没していたわずかな色が鮮やかに飛び出て来る。左はムラサキシキブの実。
地際に生えているのでアレっと思ったが、右はたぶん黄色い皮が落ちた後のツルウメモドキだろう。まだ、鳥に食べられていないのは、他に美味しいものがあったからか。若い実に毒があるとは書かれていない。寒さに当たってからの方が糖分が増すのだろうか。鳥の数が減っているのも気にかかる。
次々と売れるわけではないが、展示会にないと寂しいコーヒードリッパー 。銀座三越の展示で、すでに売れてしまいました。定番で作っているものですので、会場で追作オーダーできます。
手に入りやすいカリタ社の2〜4カップ用紙フィルターに合わせています。釣り台の台座内径が13cmですが、もっと大きいポットに合うようサイズ違いをオーダーできます。コーヒーメーカーのように簡単便利な道具ではありませんが、立ち上がる香りを楽しみながらコーヒーを淹れる、ゆとりの時間を過ごしていただければと思います。
No.5643 銅鍛造コーヒードリッパー
釣り台内径130mm 全高176mm 全重522g
税込価格 ¥49,500
昨日初日の銀座三越展示会、今日も10時半ごろから6時ごろまで会場にいる予定です。
強い冬型の気圧配置で24日と25日の早朝は氷点下10度を下回っている。24日の最高気温はマイナス3度ということで、「真冬日」というのらしい。大寒の季節、真冬に決まっているじゃないかとも思うが、一日中氷点下の日を真冬日とだれかが決めたらしい。
アカマツの松ぼっくり。すでに開いているが、タネはもう秋に散らせたあとなのだろうか。花粉症の原因にもなるアカマツの花が咲くのは春、スギ花粉より後の時期だが、その年は緑の小さな松ぼっくりで、このように開いているのは一昨年咲いた花のもの。タネの熟成に一年半かける気長な作業だが、栄養豊富なタネなのだろう、リスが松ぼっくりをかじって中のタネを食べる。固いガードをかじってタネを食べると残った芯の形が小さなエビフライに似て、地面に落ちている。タネを食べられてしまったのでは繁殖にならないが、硬い周囲をかじってタネを食べるのは簡単ではない。イスカという鳥は交差したクチバシの先端でこじ開けて、舌でタネを引き出すという。栄養豊富な松の実を食べるのには、それなりの苦労が必要ということか。
雪の中、ヨウシュヤマゴボウの真っ黒な実が残っている。数日前にジョウビタキが来ていたが、」毒があるので鳥たちは食べないのでしょう。今頃の寒い時期になると、未熟なうちは毒だった赤いナナカマドの実は毒が消えて、食べられるようになるという。植物の実は動物に食べられて、中のタネが広く散布されることが狙いだとすれば、いつまでも毒が消えない実はなんのためにあるのだろうか。昔はヨウシュヤマゴボウの実の濃い赤紫の汁をワインの色付けに使ったという程度の弱い毒だから、食べても平気な動物がいるかもしれない。毒を牛が嫌うので牧場に増えるスズランも、小さな2mmほどの小さなカツオブシムシが勢いよくその葉を食べているのを見たことがある。毒に強いかは体の大きさとは関係がないようだ。ヨウシュヤマゴボウは外来種で、元々の棲息地にはその実を食べる動物がいるのかもしれない。
シンプルなフライパンを作ったのは久しぶり。通常作っているフライパンでは、これは小さい方から2番目のサイズ。直径22cmの銅板から作るフライパンの平均サイズは190x45mm。今回は本体の高さを少し深めに50mmとしたため、直径は183mm。切り身の煮魚や丼物にも重宝する。朝昼晩、弁当づくりや夜食にも出番の多い道具でしょう。持ち手の長さは175mm。市販のフライパンを見ると、直径と持ち手の長さが同じぐらいのものが多いようだ。食卓に出すことを考えると、少し短めの方が良さそうです。
No.5642 フライパン 右手持ち
口径183mm 本体高50mm 持ち手長173mm 重さ570g
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昨日は終日止まっていた新幹線も、今朝は始発から運行するらしい。たぶん。10時半ごろには銀座三越の展示会場に着くと思いますが、場合によっては遅れるかもしれません。夕方は6時ごろまで会場にいる予定です。お問い合わせは携帯090−4180−2478へ電話またはショートメールでお願いします。
昨日まですこし暖かでしたが、今朝の軽井沢は氷点下8度。まあ大寒の時期、天気図はがっちり冬型の気圧配置ですので、これからもっと冷え込みそうです。
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前日から「警報級の大雪」と報道されて、覚悟を決めていたけれど、それほどでもない。せいぜい10cmあまりの積雪。起き出してから恐る恐る玄関を開けて見ると、キツネの足跡。真夜中の訪問者は玄関先で挨拶して、Uターンして行ったらしい。雪が降ると、ひるまは見かけない多くの生き物がいることに気づく。クマもいるのだが、雪の頃には冬眠していて足跡を見ることはない。
夜明けごろから雨になり、ほっておいても午後には消えそうな雪だが、周囲で誰かが滑って転び骨折でもしたら嫌なので、除雪車が通らない路地だけ雪かき。せkせつは低くても水を含んだ重たい雪。列島南岸を低気圧が通過した後は冬型になるだろう。雪が残ればガチガチに凍る。
長円縁の両手鍋はこれまで浅めのものが多かったのですが、今回は鍋料理向きに、深いバランスに仕上げています。写真にはありませんが木蓋つき。折り返し部までの容量が1.55L。上縁がストレートの形ですとすりきり容量を表示しますが、その場合の実用容量はその7〜80%。縁があるタイプでは折り返し部までの容量の90%。食卓では使いやすい構造です。
長円縁の両手鍋はオーブン料理にもよく、そのまま食卓にいい感じで出せる道具。いろいろな用途をお楽しみください。
No.5641 両手鍋 長円縁 木蓋
全長271mm 外径231mm 内径199mm 全高96mm 本体高78mm〜 重さ1.02kg
折返し部までの容量約1.55L
税込価格 ¥101,200
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週末は警報級の大雪と報道されて覚悟はしていたが、日曜日は未明から雨に変わり、べとべとの雪が10cm ほど。除雪車が入らない路地だけは一応雪かきしたが、ふわふわの新雪で遊ぶ爽快感はなく、どうせ融ける雪という徒労感、ゴミ掃除感。列島南岸ギリギリを移動する低気圧の寒冷前線が通過すると一気に冷え込むかもしれない。
昨日20日から大寒。その日一日のこととばかり思っていたが、一年を 二十四節気に分けるという考え方では、2月3日までの15日間が大寒という方が正確なのかもしれない。暦の季節と実際の季節感がずれることも多いが、大寒は確かに大いに寒い時期。折り返し点という感じがする。大寒の最後の日が節分。二十四節気では一年の最後で、明ければ立春。
大雪の予報。ドウダンツツジは春を待ちかねている。
平均値、中間値、最頻値・・・いずれも少しずつ意味が違うが、なるべく価値観をともなわない単なる統計的な数値が好ましい。標準的とか普通とか一般的というのは使いたくない。と、いきなりなんのことやら???ですが、両手鍋の縦横のバランスについて。オーダーを伺う時に、「深い鍋」と希望されることが多いが、お客様の印象をある程度客観的に数値化しておかないと、あとからイメージと違うと言われかねない。
目安として鍋本体の直径と高さの比率が2:1ぐらいを中間的なバランスとしています。No,3638とNo.3635の両手鍋がほぼ2対1。今回のものと1つ前No.5639は深めで、特に今回のものは1.74:1 で深めのバランス。逆に直径が高さの2倍以上に広げると「浅めの鍋」で煮物や卓上での鍋料理に向いています。
No.5640 両手鍋 銅蓋
口径191mm 本体高110mm 全高219mm 全重1.96kg すりきり容量約3リットル
税込価格 ¥156,200
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地面が白くなる程度の小雪は何度か降ったが、まだ雪の重みで枯れ草が倒れるほどにはならない。すでにタネをほとんど飛ばしてしまったシオンは今もシャキッと立っている。棘状の霜をまとい朝日を浴びて、花の頃とは別人の姿。
普通に霜といえば細かい粒状で表面にびっしりと着く。針状の霜は何と呼ぶのか? 木がこれを纏うと樹氷のように輝く。雨が凍りつく雨氷は形態が全く違う。標高の低い国道沿いでこの霜が激しかった時に、仕事場周辺では少なかったので、寒さだけの問題ではなさそう。湿度のある冷たい空気が風で次々運ばれてこないと針が発達しないのかもしれない。家と家の間の狭い空間ではあまり見られない。地球上の生き物を支える水は千変万化・変幻自在。
この秋はたくさんぶら下がっていたニシキギの実もかなり減った。鳥たちが食べたのか、自然に落ちてしまったのか。植物の実には、動物に食べられて、その消化器官を通過しないと発芽しないものもあるという。肥料付きで広範囲に撒き散らしてもらえるのだから一石三鳥かな。ただタネが落ちるだけでは芸がないようだが、始まりはいつだってシンプルなもの。複雑な進化も偶然から。
昨年最後の作品になった両手鍋銅蓋タイプ。毎年この時期に作る「酢重」の銘入り特注品です。去年の記録をたどってみると、11月末に作っていた。今年は何もかもがギリギリの進行で、ちょっとの怪我や病気でも脱線転覆しそうな走り方をしている。毎日十数回手を洗ってもヒビやシワの隅々まで汚れが沈積している。アカギレもいくつか。アカギレなんて前世紀の遺物で、若い人は知らないだろうなあ。
この両手鍋、すりきり容量は約2リットルで、気をつければ4合のご飯が炊けるサイズ。まあ、無理せずに3合半までが適量です。
No.5635 両手鍋 銅蓋 銘酢重
口径181mm 本体高90mm 全高190mm すりきり容量約2L
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年始のご挨拶を元日に下書きを仕上げておきながら、当ブログに公開するのをわすれていたドジで間抜けなお正月。
遅れたお詫びにもなりませんが、初日の出の写真をもう一つ。カラマツとモミの林から昇る太陽。前の写真は水平に、撮影位置とほぼ同じ標高の山から昇る太陽を見ていますが、こちらは少し移動してから仰角に見上げる日の出。前のド派手な赤と黄色に比べると、このころには空に青色が混じる。前者が爆発的な誕生の瞬間なら、こちらは成長と変化の過程。
旧年中の仕上がり。一つ前の片手鍋浅型同様、この深型もレギュラーメンバー・・・にも関わらず在庫切れだった。修理に戻ってくることも多い。ということは使用頻度が高いのだろう。すりきり容量が1リットル弱。実用上3カップ用なので、決して小さいとは言えないが、コロンと丸い形が可愛いとよく言われる。持ち手もそのイメージを壊さないようコロンと手のひらにおさまる形。
No.5634 片手鍋 深型小
口径125mm 本体高79mm
すりきり容量約920ml
税込価格(2023年度) ¥47,000
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明けまして おめでとうございます
大晦日の雨も上がって、今年最初の太陽。雨だろうが風だろうが、太陽は規則通りに運行しているので心配はいらないのですが、やはり見えた方が安心。まして氷点下の寒い朝、周りには何人ものお子さんを含む数家族が待っている初日の出。標高1100mほどの大日向開拓地からですのでほぼ日が昇る上信国境の山々とほぼ水平。まずは良かったよかった!
今月下旬には銀座三越で展示の予定。正月休みがないのは例年のことですが、今年は特に逼迫。年の暮れにはいつも、やり残しとやりそこないの山を振り返るばかり。走り続けていれば何とかなるさ、ってことで年が明けました。
今年もどうぞよろしくお願いします
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12月下旬に入って寒波の数日間とちょっと寒さが緩む数日が繰り返す。温かめの日と言っても、朝は氷点下5度前後で霜がびっしり。日が昇ると雪景色かと見紛うほど明るく輝いていることもある。寒波の時は、日本海側に雪を降らせて、内陸の軽井沢は小雪程度。
何の花だっただろうか、氷点下10度の寒さと霜や小雪で今はフリーズドライ。元気に咲いている時には気づかなかったが、枯れてからが美しいと目を引く姿。ほど良い艶やかさと渋さ。期待に膨らむ春でもなく、血気盛んな夏でもない。実りを楽しむ秋とも違う。過ぎ去ったすべてを振り返り、冬は変化と幻想が交錯する。
エノコログサ(狗尾草)に雪。誰でも知っている草だが、子どもにはネコジャラシの方がわかりやすいだろう。犬だったり猫だったりする。最近、標準サイズの他に、小さいものと大きいものを見かけるが、外来種だろうか。春まで待ってタネを飛ばす気でシャキッと立ち続けているのかな。
ご飯炊きに人気の小さな両手鍋銅蓋の予定で仕上げ鎚ちを進めていたもの。何をトチ狂ったのか、注ぎ口をつけてしまった。どうかしているぜ、おい! 結局、片手鍋浅型大(4カップ用)になる。すりきり容量は約1.3Lで、両手鍋なら2合以上炊けるサイズ。銅蓋を作る手間はあるが、その方が高く売れた。浅型の片手鍋も人気商品で確実に売れるのだが・・・予定外の脱線に気づかないのはヤバイ。料理ではよくやるのだが、シチュー作る予定が気づいたらカレー粉をいれていたとか・・・これぐらいなら結果オーライだが・・・。
小型の炊飯用の鍋は毎日使うものだが、こちらの片手鍋は朝昼晩となんども使う可能性がある。在庫逼迫の折、とりあえずなんであれ、きちんと仕上がればいい。味噌汁なら楽に4杯分、ちょっとした煮物にも。出番の多い道具です。
No.5633 片手鍋 浅型大
口径159mm 本体高82mm 重さ727g すりきり容量約1.3L
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本格的な冬型の気圧配置になることも多く、日本海側では雪、内陸の軽井沢は寒風だが浅間山には新雪。
左は22日冬至の朝。軽井沢といえば旧軽井沢や新幹線の駅周辺、追分宿など観光客が多く訪れる場所があるが、南北15km東西10kmの町域の中ではいずれも端っこの方に位置する。町の真ん中、ヘソのような位置にある集落が中軽井沢で、昔は沓掛宿と呼ばれていた。ここには取り立てて観光スポットはないが、徒歩や自転車で巡る観光客がカメラを向けるのが湯川橋のたもとから見上げる浅間山。赤い橋は長倉神社の参道。夏祭り(祇園)の花火大会では人が大勢歩いているが、昔の木の橋と違い、今は鉄製で下駄で歩くとひどい音がする。この場所の良さは、電信柱や電線が写らないこと。
山腹に朝日が当たって明るく輝いているが、新雪がピンクに染まる瞬間はなかなか見られない。ちょっといいかなと思っても、写真にするとパッとしない。冬至の朝。強かった日差しも午後はどんより、夕方には雪も降り始めた。太陽が一番弱い一日。
寒波が緩んで少し温かい氷点下5度の朝。夜明け前から外が明るい。雪?恐る恐るカーテンから覗くと、一面の霜。うっすらとではなく、棘状の霜がびっしりついている。近所の小高いカラマツの森が輝いている。カラマツは芽吹きの頃、黄葉の頃、そして霜や雪をまとってなんども変身する。陽が高くなれば儚く消える薄衣。
酒器をまとめて作るオーダーは一段落。通常はこの様に大小1本ずつ作ることが多い。いくつ作っても際限がない「銀流し銅酒器」の大小。工程の7割が槌と金床で銅板を鎚つ鍋作りに比べると、こちらは工程が多く、順番に進めないと辻褄が合わなくなる。銀ロウ(2分ロウ)を融かしてベタに塗る最初の工程と内部に錫引きをしながら底板をはめ込んで固定する最後の工程が難関。銀ロウ流しは後から修正がきかない。錫引きはこれなしには仕上がらない=売り物にならない。まあ、どの工程も手抜きすると後でしっぺ返しがくるってことですね。
No.5631 銀流し銅酒器 大(2合用)
口径65mm 底径66mm 高さ170mm 重さ455g
No.5532 銀流し銅酒器 小(1合用)
口径56mm 底径57mm 高さ140mm 重さ303g
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初雪の頃なので、すでに1ヶ月以上前の写真二つ。
黄菊と呼ぶには雑色、猫ならキジ猫か。純粋な生まれより、こんな雑然と混じりものがある方が元気でしぶといのかもしれない。植物も動物も人も、子は親を選べない。若い人が「親がちゃ」という言葉を口にする悲しさ。聞かされるおとなの辛さ。しぶとく生き抜く姿。
まだ緑の残るナラの紅葉に初雪です。霜と見間違うようなほんのわずかな雪。空はどんよりでこのあと雨になったから、まあ霜ではなく雪でしょう・・・と言うほどに儚く雨で消えた初雪。ナラの葉はまだ生きる力を残している。
在庫があれば売れる人気の片手鍋浅型だというのに、3ヶ月ぶりの制作。本体は前日仕上がっていたけれど、黒檀の持ち手を削り出すのが嫌で1日サボり。木工作業は嫌いではないが、例によって大雑把。仕事は早いがプロのような精緻な作業には向いていない。持ち手の取り付け金具、本体横っ腹にリベットと錫で定着させたパイプ状の金具に持ち手をピッタリ打ち込みには、差し込む部分の黒檀を0.5mmの精度で削って磨く必要がある。雑駁な力技中心のここまでの鍛金作業とは違う神経を使うというのに、硬い黒檀を削っていると細かい粉末が飛散してくしゃみ連発。肉体と精神はいつだって乖離しているもの?
No.5630 片手鍋 浅型 小 (実用上3カップ用)
口径151mm 本体高71mm 重さ644g すりきり容量約1L
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氷点下10度以下に冷え込んだクリスマス寒波が去り、26日は−5度の朝。
いずれも仕事場に生えていたヨモギの冬の姿。左はたぶん夏頃に草刈りで刈り取ったヨモギの根からその後に芽生えた若い株。まだ元気が残る若い葉は寒さで枯れずに紅葉している。茎の頂点は成長する可能性さえ見える。同じヨモギでもすっかり枯れてタネをつけているもの、ほとんど枯れても茎の上部にまだ緑の葉が残るものなど、様々な老と死と再生が見られる。
生物の繁殖方法は多彩。クリスマスを楽しむ人間は多いが、マリアの処女懐胎を信じている人がどれぐらいいるのだろうか。人間にとっては通常ありえない神の奇跡とされることも、例えばアブラムシ(ゴキブリではない方のアリマキ)のメスは交尾せずにポコポコ・・・たくさんのクローンを産む。オニユリやヤマイモのムカゴもそうだ。花粉が雌しべについて新しい遺伝子を持つ次世代を作りながらも、球根が分れて増えたり、ランナーを伸ばして新しい株をも作る。繁殖には正解とか勝ち負けとかがあるのだろうか。変幻自在な生き物たちの営み。クリスマスソングが流れていた冬の街、ホームレスや母子家庭に冷たいヒトの社会。
酒器は大小(1合用と2合用)を作っていますが、今回は小を二つ。最近、一般のお客様には大1に対して小2ぐらいの比率で売れる。手頃感?食卓でのおさまりの良さ?酒量が減少?健康志向?多人数で飲むことが少なくなった? どうなのでしょうか。とっくりはもともと1合、お店によってはもっと小さいのが普通かもしれない。私はというと、60までに一生分飲んでしまったので、今は日本酒なら1合、焼酎半合、ウィスキーはダブル1杯が適量ですと言いつつ・・・時どき適量をオーバー。
No.5628 銀流し銅酒器 小
口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ300g
No.5629 銀流し銅酒器 小
口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ301g
税込価格 各¥25,300
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クリスマス寒波とかで連日氷点下10度前後に下がる。昨日は地面がやっと被る程度の雪。
写真は12月初旬のもので、左は雨上がりのサラサドウダン。もちろん花ではなく実の季節。冬枯れの色も雨にあたって生き返る・・・タネは死んでいるのではなく、これから繁殖の役割を担う生命力を秘めている。
よくよく見ると不思議な構造。花の頃の長い花柄そのままにぶら下がっているのだが、下向きに咲いていた花は今や反転して実は上を向いている。なんのために?先端の針は何かの役に?
生き物の進化にはそれぞれ意味があるのだろうが、それにとらわれすぎるとみんな同じ方向に進むはずだと思い間違う。それぞれの違いを個性というのも、少し違うような気がする。偶然や理不尽なことも受け入れて今があるような。
右の写真は触るとかぶれるのでふだんは近寄らないツタウルシ。冬型の等圧線のような切り株の年輪。こんなに間隔が詰まっていたら大変な吹雪になりかねないが、天気図の縦縞等圧線を細かく1ヘクトパスカルごとに1本表記するとこんなものかもしれない。日本海側はゆきで難儀している。内陸の軽井沢は雪が少なくひたすら寒い。
直径28cm 厚さ1.6mmの銅板から造った両手鍋。蓋の厚さは1.2mm。すりきり容量が2リットルですので、3合半のご飯が炊けるかなというサイズです。炊き上がったご飯の重量はもとのお米のほぼ2.3倍になると言われていますが、体積を計測した記述はネットにありません。炊飯器で炊く場合、炊き上がりの体積をきにする必要がないのでしょう。お鍋で炊く場合は吹きこぼれては困るし。ギリギリ一杯まで膨らんだ状態を昔は「張り釜」と言って、美味しくないご飯の炊き方とされていました。炊き上がりの体積がどれぐらいになるのかは、水加減・火加減やお米の状態や柔らかさのお好みによって異なってくるでしょう。少し少なめの、この鍋の場合は2合半ぐらいのお米で試して、ご自身の適量を見つけてください。毎日使うものですので、すぐに感覚がわかると思います。
No.5627 両手鍋 銅蓋
口径182mm 本体高93mm 全高195mm 全重1.56kg すりきり容量約2L
税込価格 ¥118,800
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雪になってもおかしくない季節だが、師走に入って雨が多い。乾燥して土ぼこりが立つよりは良い。標高が高いこのあたりの紅葉はすでにひと月も前に終わっているが、丈の低い木や草はまだ赤や黄色の変化が見られる。
この季節のスイカズラの豊かさ。漆黒の実、深い緑や黄色やえんじの葉、新芽も開きかけている。色変わりした古い葉を紅葉と呼んでよいのか?枯れて落ちる直前の紅葉ではなく、暗赤緑に変色して厚みを感じる革のような質感に変化、筒状の縦巻きでぶら下がって寒さに耐える。白く香りの良い花を咲かせていた頃とは別人の姿。
すでに葉を落としたムラサキシキブの実にしたたる雨滴。翌春にむけて、華奢な枝ぶりに似合わないしっかりした新芽が用意されている。木々の新芽は、葉が落ちて光合成が休止する前に準備しなければならないのだろう。厳しい冬の寒さに大事な新芽が負けるリスクはないのか。腹をすかした野生動物に食べられることはないのか。紫の実に毒はない。目立つ色で鳥に食べられて、タネを運ばせるのだろう。昔、この実で果実酒を作ったが紫にはならず、綺麗な琥珀色の美味しい酒ができた。
夏以降、何本目だろうか。今回の12本は全て小(1合用)です。10本は東京駅近くの新丸ビル酢重ダイニングへ。
通常は大小1本ずつ仕上げて行くのですが、今回は錫引き、磨いて硫化仕上げ、さらに磨きの工程を一度に。さすがに12本一気に錫引きはきつかった。覗き込んで内部に錫を流してから底板を打ち込み、再度錫引きで底を接着する。中腰の作業が多く、持ち手のないデザインなので火ばさみ(やっとこ)で持つわけにいかない。250度以上に熱した本体を厚手の作業用革手袋で掴むのだが、左手はいつも火傷寸前の状態。多くの工程で作業する右手より支える左手の方が酷使されるのだが、この作業は特に左手のダメージが大きい。
No.5515~5526 銀流し銅酒器 小(1合用)
口径約56mm 底径約58m 高さ約140mm重さ約305g
税込価格 ¥25,300
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最低気温が5度前後の日が続いて、すっかり冬景色に慣れてしまう。わずかに残っていたノコンギクの花びらもすっかり落ちてしまった。右の写真、このノコンギク枯死している・・? 枯葉にさわればハラハラと砕け散るだろう。生命を維持して来た水はすでに茎にない・・・なのに、どうして美しさを・・花の頃よりもっと。生きていると死んでいるの境は・・・綿毛の根元には小さなタネが次世代の命を託されているとすれば、死んでいると言って良いのだろうか。タネを飛ばしてしまった跡も、その星も美しい。
左はシオン。1mを超える背丈で茎葉は枯れてもしっかり直立。シオンを野菊と呼んでいいのか微妙なところだが、咲いている時は野菊の女王といった風格が、枯れてもそれは失われていない。
10日ぶりの鍋仕上がり。新しいデザインをお客様のオーダーで作ることはそれほどないのだが、寸法の帰着点が決まっていながら、新しい姿と細部を成形する過程は、極めて慎重にゆっくり手探り、矯めつ眇めつの作業。力みや思い込みを避けるために、あえて間に手慣れた他の仕事を入れながら進める。高校生の頃、試験が近づくと関係ない本を読みたくなったようなものか。一生懸命になるな、力を抜けと「悪魔の囁き」が聞こえてくる。本来、新しいデザインは時間があって制約のない状態で試作を繰り返した方がいいのだろうが、なかなかその時間が取れない。お客様に背中を押されるようにして取り組んだ一発勝負だが、時々よそ見しながらその緊張感を楽しむしかない。
片手鍋と言っても片手の反対側にもう一つ弧状の持ち手がついているので、正確には片手鍋とも言えない。銅蓋付き深めのソテーパンというのが一番近いか。全重1.7kgに、容量が2L近いので1.3kgの中身を入れると3kg。片手ではちょっと厳しいかもしれないので両手で持つこともできる。丸縁の片手鍋に弧状の持ち手をつける場合は縁の下、鍋の側面につけるのだが、かなり大きなものをつけないと持ちにくい。縁に直接つければ小さくても持ちやすい。
今回の縁は長円形ではなく玉子型。弧状の持ち手は縁の外周に同調しているのでぶつけることもない。最初の図面ではもっと先のとんがった玉子型だったが、どうもそれでは痩せた感じなので、ゆったりと変化する曲線に。二つ並べて比べないとわからない差異なのだが。
片手鍋の持ち手は本体の直径に近い長さが多いが、今回はオーダーされた方のご希望で16cmと短め。コンロでも食卓でも邪魔にならない長さ。蓋の膨らみは両手鍋の銅蓋よりかなり低いが、塊肉を入れて蒸し焼きにするだけのスペースは確保。熱の循環も良いはずです。
No.5614 片手鍋(ソテーパン) 玉子縁 銅蓋
長径262mm 短径248mm 内径211mm 本体高77mm 全高170mm
折返し部までの高さ68mm 同容量1.95L 持ち手長160mm 全重1.70kg
税込価格 ¥144,000
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氷点下の朝が1週間ほど続いて、樹々の紅葉はほぼ終了。誰か行きたいという人があれば一緒に・・などと人任せでいたら、この秋は一度も山歩きがかなわなかった。一人で出かければいいのだが、ついつい仕事を優先してしまう。その合間に、下向いて草や低木に季節の変化を感じる日々。左は紅葉しているスイカズラだが、暗赤紫色、赤、オレンジ、黄色・・様々な色と、若い葉の濃い緑。変幻自在。さらに冬が進むと、濃緑色と暗赤紫の長い葉を、寒い日は縦長にくるっと巻いて過ごし、ちょっと暖かいと葉を広げて陽光を浴びる。「忍冬」と呼ばれても、ただ黙って冬を耐え忍んでいるってわけじゃない。
右はヤマボウシの低い若木に残る葉に積もるわずかな雪。ヤマボウシも大きな木はとっくに落葉しているが、鳥が運んだタネから育った若木はしぶとく葉が残って、牛革のような艶。
あたりまえだが大きい鍋は時間がかかる。本体の高さは約11cmで出たとこ勝負。口径は20.7cmで、こちらは「酢重鍋大」の定格サイズだ。口径は一定。あちらこちらに今も増えていく酢重ダイニングのどの店で使われるかわからないし、各
使っている店舗ではいくつも並べてご飯を炊いているので、どの本体と蓋とでも合わないと困る。個人向けに作る一点ものとの違いで、そこは型がある訳ではなく、フリーハンドで作る場合のちょっと難しいところ。自由な中に一点の束縛。
No.5613 両手鍋 銅蓋 「酢重鍋 大」
口径207mm 本体高114mm 全高225mm 全重2.47kg すりきり容量約3.6L
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未明の初雪。ほんの少しだけの雪で、注意して見なければ霜かと見紛うほど。日が昇って、とけかかったわずかな初雪が輝くムラサキシキブの実。なんとも思わせぶりな名前で、花の姿を思い浮かべる人はほとんどいないだろう。それぐらい、その実が印象的で妖しい。
この色を期待して焼酎に漬けたことがあるが、琥珀色の美味しい酒になった。実の色も移りにけりな徒に・・・。
この日は最低気温がマイナス5度。冬本番にはさらに10度下がるとはいえ、さすがに寒い。なんだか短かった秋もこれでいよいよ終わる。まさに忍冬(スイカズラ)の季節。わずかな雪を飾りに、濡れた漆黒の実が艶やか。
間で両手鍋を一つ作っただけで、またもや酒器に舞い戻り。昨夕は1週間ぶりに町のジムで筋トレ。腹筋500回と20kgのウェイト引きを400回。普段は300〜500kcalやる足の筋トレは200で時間切れ。筋トレの夜は足がつって飛び起きることが多いが、前夜は睡眠4時間足らずだったので、10時から4時まで爆睡。
翌日は両手鍋2点の絞り鎚ちと並行して酒器の大小を仕上げ。くしゃみしたら腹筋が痛い。以前は筋トレで筋繊維が壊れて痛みが出ると言われていたが、最近は筋肉の結合組織が壊れて痛みがと言われているらしい。昔は乳酸がどうとか言っていたような記憶。運動生理学の賞味期限は10年ほどらしい。
No.5610 銀流し銅酒器 大
口径65mm 底径69mm 高さ170mm 重さ461g
税込価格 ¥29,700
No.5611 銀流し銅酒器 小
口径56mm 底径60mm 高さ140mm 重さ305g
税込価格 ¥25,300
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11月も中旬に入って、毎朝氷点下に下がっている。紅葉もそろそろ終わりで、冬枯れの中に赤い実が目立つ季節だが、ドウダンツツジはまだ真紅の葉を誇っている。右のサラサドウダンは氷点下に下がると葉も実も茶色に変色する。この2種のツツジは、花が釣鐘型で下向いに咲くのだが、実はとんがった先が上むいている。理由はよくわからない。まだタネが若いうちに食べられないよう防衛しているにしては、鳥たちに人気があるようにも思えない。
一ヶ月ぶりの鍋制作。銀座三越展終了後のひと月は酒器と修理ばかりで鍋の作り方を忘れるほど。展示会直前に作った最後の鍋がNo.5570、これはNo.5609なので40個ぶり。二ヶ月前のオーダーなので、もっと早く仕上げたかったのですが、この二ヶ月間は、というよりこの2年あまりは月間400時間労働でやってきたので、これが限界かな?という感じ。労働基準法も何もあったもんじゃない「ブラック自営業」
鍋絵料理、煮物、汁物等用途は広く、大きさも手頃で使い勝手の良さそうな、機能性の高い鍋です。
No.5609 両手鍋 丸縁 木蓋
外径217mm 内径190mm 高さ85mm 重さ1.09kg 折返し部までの容量約1.65L
税込価格 ¥74,800
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左はナナカマドですが、たぶんサビハナナカマド。軽井沢では里から浅間連山の亜高山帯まで見られます。秋にはオレンジ色のみが次第に赤く変化し、氷点下になると毒が消えて鳥たちが食べ始める。若い実に毒がある植物はいろいろあって、ピラカンサなども。中のタネの準備が整う前に食べれられしまうのを防ぐためでしょう。子どもがピーマンを嫌うのも、若い緑のピーマンにはわずかに毒があるせいだと読んだことがあります。小さく弱い動物の方が敏感なのかもしれません。
右は、日当たりの良い石垣の上に見た赤い実。ずっと気になっていて、ウメモドキかなと思っていましたが、先日インスタに掲載したところ、ベニシタンとコメントで教えたくださった方がいました。一枚の写真で知らない方々といっときの交流ができる楽しさ。ナナカマドの実とよく似ている。イバラの実ともよく似ている。いずれもバラ科の植物。
銀流し銅酒器制作の最初の難関は、名前の通り銀流しの作業。正確には銀ロウと呼ばれる銀の合金ですが、融点の異なる何種類もの銀ロウがある。アクセサリーなどの銀細工をする人は、銀で作ったいくつものパーツを銀ロウで接着していきますが、銀ロウの融点が銀の融点より高ければパーツそのものが融けてしまう。次々といろんなパーツを接着していくので、使う銀ロウの融点がそれ以前に使ったものより高いと、前に接着したものがはずれてしまう。融点が高い銀ロウから一段低いものへと順番に使っていきます。
写真手前の銀色の板、5cmx20cmの銀ロウですが、それを使いやすいサイズに切ってロウ付け(溶接)に使用します。細かい銀細工をする人は接着したい部分をピンポイントでロウ付けしますが、この酒器は上部に面で銀ロウを流しています。銀ロウの使い方としては邪道です。皿のように水平面に銀ロウを融かして流すのはそれほど面倒ではありませんが、ここでは相手が丸パイプ。水平に置いて上面に銀ロウを流せば、温度が高いと側面から裏面へと融けて流れていく。重力には逆らえない。パイプを回転しながら360度銀ロウを被せてしていくが、パイプを7〜800度の高温に保ちながらの作業は手が4本は欲しい。熱源が3種、銀ロウは大きなピンセット、融けたロウを広げるステンレス棒、一箇所被せるとパイプを少し回転。2本の手しかないので手順を間違えると火傷する。錫引きの火傷よりはるかに高温なので一瞬で焼肉の匂いと皮膚の白い変色。嫌な作業だが、これをクリアーしないと先に進めない。
流した銀ロウは、その後の鎚ち絞りや広げと細かい槌目に耐えるだけの厚みが必要なので、消費量は多い。銀の含有率が高いほど融点が高く、色は白く美しい。通常、含有率の高い2分ロウや3分ロウを使用するが、銀ロウ価格は銀の国際価格上昇と円安で、2年前の2倍。広い面積を厚く塗るので、その費用はバカにならない。
制作中も度々数えていたにもかかわらず、大が1点足りなかった酒器。急遽一つ追加制作でやっと今日納品できそうです。行き先は間も無く銀座に開店する信州小布施の料理店蔵部。大小合計25点ですが。きっと1日100人ぐらいのお客様がこの酒器でお酒を楽しんでいただけるのでしょう。
毎日、家で使ってくださる個人のお客様もいれば、お店でたまたま出会うお客様もいる。秋は静かに・・・手に取った時の一瞬、なにか心地よい予感があるお酒の道具。
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秋深まり、陽射しが斜めに当たる時間が長くなるにつれて、枯れる前の草や木の葉が表情豊かになっていく。朝焼け夕焼け同様、斜めの陽射しは赤が強調されるようだ。ヤマブキの葉が黄色く色づいている・・・なんて定型的表現では表しきれない。緑からオレンジ色までさまざまな部分がある。クレヨンや色鉛筆にあった山吹色はどのあたりだろうか。ヤマブキの花は黄色で山吹色ではない。
山吹色とよく似た橙色(だいだいいろ)も、今やぴんとこない。橙そのものが正月の飾りぐらいしかお目にかからない。オレンジ色より黄色に近いのだろうが、オレンジにもさまざまな色のものがある。
「草原の輝き」といえば当たり前のように春の草原を思い浮かべるが、日の出間も無くの朝露が光るネコジャラシ。冬枯れの前のいっときの輝き。花よりも繊細は陰影。タネには翌年へと命を繋ぐ力がある。輝いて見えるのは、黄金色の稲むらばかりではない。外へ発散する春と内に秘める秋。
オーダー時の手違いで、銀座に開店する予定のレストランの他にももう1軒開店予定の店のオーダーが発覚。そちらの方が早く必要ということで急遽、酒器小を5点仕上げて、すでに仕上がっていた大5点と一緒に納品。綱渡りの日々。世間は3連休とかで賑わっているが、連休前日に食料やガソリン・灯油を買い物を済ませて、この3日間は蟄居・制作。まだ25個ほど仕上げる予定です。
No.5583〜5587 銀流し銅酒器 小
平均 口径56mm 底径58mm
高さ140mm 重さ305g
税込価格 各¥25.300
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11月に入って先月と気温が逆転している。氷点下にまで下がっていた最低気温も、この二日間は4度前後。紅葉の盛りを迎えて、ちょっと気が緩む景色。滅多に上を向いて歩くことがないので、カエデの紅葉にはあまり目がいかなかったが、一度ぐらいはと観光客と同じ視線で見上げて見る。遠目には整って見えますが、一つ一つの葉は結構ぼろぼろだったり、最後の姿にふさわしいのかもしれません。子どもの頃はカエデと呼ばず、もみぢと言っていた気がします。葉が赤や黄色くなる事をもみづと言った古語からきているようなので、もみぢはカエデに限らなかったのでしょう。
仕事場の窓の外にはまだ低く花もつかないヤマボウシが葉の色を変え始めている。一斉に染まることなく、緑から黄色、オレンジ色、赤、紫、黒紫色まで密度の濃い色がたくさん詰まっている。まだ若いのに渋い色合い。人生、こうでなくっちゃなん、なんて勝手な妄想ですが・・・。
酒器の注文が詰まっている中で、月末納期ギリギリに仕上げる予定だった片手鍋銅蓋。蓋はつまみを取り外して歪みや凹みを鎚ち直し、つまみは接着部分を広げて取り付け、錫引きも順調。問題の本体はやはり錫ののりが悪く、5回以上錫引き。こんなところかなと思って硫化仕上げ、磨き。最後の持ち手取り付けと釘どめの釘打ちの衝撃で持ち手を差し込んだパイプ状金具が外れてしまった。持ち手はしっかり打ち込んであったので取り外せない。本体との接着面を完全に本体から外して、接着面を強化して磨き、リベットで留め直し、またまた錫引き3回ほど。接着面には下に垂れるほど錫を流し込む。
予想していた時間の3倍かかってしまい、発送が1日遅れて、納期を1日オーバー。修理を受注した時点で修理代を見積もりし、お客様はデパートに支払済。そうでなくても見積もり以上に後から請求することはない。そもそも、こちらの予想が甘かったのだ。想定外の事態はそれほど頻繁におきないので、そのリスクを見積もりに算定することは難しい。想定外の事態が起きること自体、経験不足や技量不足とも言える。
修理に限らず、新作でも予定より50%余計に手間取ることがある。時間がかかって苦労して仕上げた結果が特別良いということなんてない。苦労するということは、段取りが悪いか、腕が悪いかであって、苦労を自慢して価格を上げるなんてことではない。むしろ恥ずかしいこと、次はもっとスッキリ仕上げるようと反省材料です。
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白や薄いピンクの花を咲かせていたゲンノショウコの最後の姿。実をつけて、タネを飛ばして仕事を終えたところ。去年は隣の公民館の周辺に赤いゲンノショウコも咲いていたが、草刈りで消えてしまった。草むらは短く刈られて、花壇に一面のサルビア。誰かが植えたユウスゲが区画された花壇にぎっしりと咲く。半世紀前の軽井沢にはススキの草むらにワレモコウやオミナエシ、ユウスゲが混じり、足元にはゲンノショウコやリンドウ、マツムシソウなどが混然と咲いていた野生の風景。「美は乱調にあり」
右はオオブタクサですが、一般的にはブタクサと呼ぶ人が多い。本当のブタクサは敗戦後の日本にやってきて、ヨモギと同じようなサイズと姿。ヨモギの生えているところに広がり、花粉症の原因になった。私は6歳の頃から発症したので70年近い。当時は花粉症、アレルギー性鼻炎などという名前もなく、ほとんどの医者さえ存在を知らなかった。今でもスギ花粉症が広がるまで、日本には花粉症患者はいなかったなどという専門家さえ存在する。専門家の中には、自分が知らないものは存在しないと思っている人もいる。
当時、医者にかかっても子どもの私が逆にブタクサの花粉でくしゃみは鼻水、涙が止まらなくなるもので、原産国のアメリカではヘイフィーバーと呼ばれているなどと説明しなければならなかった。当時もちろん薬はない。なぜ、子どもの私が知っていたかというと、父親も祖父も同じ症状だったから。季節になると家中でくしゃみが鳴り響いていた。ブタクサは20年ぐらいで激減したかが、その後オオブタクサが代わりに入ってきて猛烈に広がっている。3m近くに成長し密集した群落になる。
父も祖父も歳とるに従って軽減したが、抗原抗体反応が弱くなるからだろう。ということは感染症にかかりやすくなるということだろうか。私も60ぐらいから症状が軽くなってはいたが、今年は10年に一度というぐらい重症で、9月初旬の日本橋三越展示が終わったあたりから症状が出てきた。一ヶ月続き、10月初旬の銀座三越展示の終わり頃に軽くなってきた。くしゃみ・鼻声・涙目で、ただでさえ接客向きでない人間が悲惨な状態。
10月に入って雨や低温の日がなんどもあり、さすがの花粉も減ってきたころ、今度は咳と痰、喘息の症状がでてきた。春のスギ花粉の時期も軽い喘息がでるので、花が終われば治るだろうとほったらかしていたが、症状は悪化し、咳と痰が止まらない。とくに寝る姿勢で激しくなるので、上体を起こしたままで寝て、それでも咳き込みで睡眠時間は毎日4時間ほど。普段でも5〜6時間なので、堪え難いほどではないが昼間眠い。仕事が詰まっているので、展示会終了後も毎日14〜5時間労働だが、縦になっていると楽なので、仕事には支障がない。
二ヶ月ごとに検診を受けている内科に行き検査すると、喘息は間違いないのだが、肺炎の可能性もあるということで、吸入と点滴。点滴は生まれて初めての経験で、テレビドラマのような光景だなと呑気に眺めていた。点滴前に血中酸素濃度を測定すると92。コロナで流行った指先をくわえて測る小さな道具で、実物を見るのは初めて。92といえばコロナ中症で入院の程度。点滴後に測りなおすと逆に下がって87。そんなはずはないと測定器をいくつもかえて測ってもみんな87。コロナなら重症病棟行きの数字。昏睡状態になってもおかしくないはずなのに、息苦しくもなんともなく、検診後も普通に仕事再開。薬が効いているのだろう、その後は咳も軽減し、3時半に起きて仕事開始。私は病人なのだろうか???わからんことばかりだが、犯人はこのオオブタクサだと、それだけはわかっている。検診から1週間でほぼ完治しました。
旧軽銀座のギャラリーDark Eyesに納品した銀流し銅酒器の大小。この後、30個ほど仕上げを控えている。銀座に来月開店するお店と銀座三越常設分。Dark Eyesもすぐに追加が必要になるだろう。いずれも「銀座」・・・。
オオブタクサの喘息騒ぎは終了。後遺症というほどではないが、肘の内側に大きな青アザが残っている。生まれて初めての点滴の跡。適当な血管が見つからずあちこちなんどもやり直した。スタッフの女性が痛いでしょうと申し訳なさそうにしていたが、痛みは蚊が刺した程度。採血の場合でも血管に針をさすところから注射器に血が流れ込むまでを見ているが、女性に比べて男性患者は目を背けたり痛がったりするケースが多いという。男の方が意気地ないのか、育児経験がなく怪我や出血の手当をする経験が少ないのか。
No.5581 銀流し銅酒器 大
口径66mm 底径68mm 高さ172mm 重さ459g 税込価格 ¥29,700
No.5582 銀流し銅酒器 小
口径57mm 底径58mm 高さ141mm 重さ297g 税込価格 ¥25,300
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銀座三越展示の後しばらく、銀流し銅酒器ばかり作っていてブログの更新がストップしていました。その間に、季節は初秋から一気に晩秋、ほとんど冬といっても良いほど冷え込んでいます。氷点下の早朝もあり、紅葉はカエデが真っ盛りで、都会より一足早い秋を見に観光客も大勢。
野菊の季節はすでに終盤で、ノコンギクがちょっと寂しげに晩秋の趣。花だけ見るとシオンもノコンギクもそれほどの違いがありませんが、現場でで圧倒的にシオンの方が存在感があります。勝手に生えている野草という感じがしない。そのことには好き嫌いがあるでしょうが、女王と庶民。
今年のシオンは背丈が腹から胸のあたりの株が多い。なぜか、町中がほぼ同じぐらいの背丈である。きっと来年は一斉に150cmを越える高さになるのだろう、そして次の年は一年お休みだろうか。また膝丈ぐらいからやり直し。なぜ町中がシンクロするのだろうか。秋を楽しむ間も無く、冬がやってきそうだが、冬本番はさらに15度以上下がるので、こんなものではない。コスモスから野菊の季節へ、のはずが野菊もすぐに終わりかねない気温の急降下。この辺りで野菊といえばヨメナではなくノコンギクが多い。いかにも地味だが、下向いている私には馴染む風情の花。冬枯れの季節には小さな綿毛のタネ、そのタネも飛び去ったあとに残る星型もいい。
銀流し銅酒器大小を40個ほど作っている。旧軽銀座のギャラリー、銀座に開店するレストラ蔵部、銀座三越エムケイ・クラフト 常設売り場・・・なぜか銀座に縁がある・・・お金にはとんと無縁なのだが。一ヶ月間ほとんど酒器ばかりで、この記事も更新が少なくなる。在庫も少ないまま。このまま年末を迎えるってわけにはいかないだろう。
No.5571〜No.5580
銀流し銅酒器 大
口径約66mm 底径約69mm
高さ約170mm 重さ約462g
税込価格 ¥29,700
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3連休最後の9日月曜日は冷たい雨と言う予報。3度を最低に連日5度前後の朝が続いてきたので、これ以上冷たいと雪になるかも、なんて思っていましたが今朝は7度。得意冷たくはない。今年は本州東北部ではブナの実が不作だという。もともと東信地方はブナが多くないが、コナラ・ミズナラのどんぐりも少ない気がする。クマの移動が活発になるのだろうか。早々と紅葉し始めたニシキギにはたくさんの実がぶら下がっている。赤い皮が裂けてオレンジの小さな実が現れる。平年の5〜10倍、実っているようだ。自然の豊凶もいろいろ。
ストーブの季節到来、外ではドウダンツツジの細かい葉が赤みを増しているが、まだ一面真紅とはならない。上部が冷気に晒されるからか、栄養が上まで届かなくなるからか、下の方の葉はまだ緑。
世間は三連休とかで新幹線も混んでいます。今日も銀座三越展の会場に、10時半ごろから6時ごろまでいる予定です。お問い合わせは携帯090−4180−2478へお願いします。
会場:銀座三越本館7階ジャパンエディション / エムケイ・クラフト @mkcraft.s
木の持ち手の片手鍋はミルクや味噌汁などに重宝する道具ですが、真鍮の持ち手で木蓋が使える丸縁の片手鍋はよりヘビーな使用に向いています。ソテーしてからじっくり煮込んだり、ざっと火を通してからオーブンに入れたり。浅いものなら食卓にそのまま出しても良いし、持ち手を短めにすれば鍋料理にも使えます。大きさも深さもそれぞれの使い手に合わせて揃えて展示したいところですが、作る方が追いつきません。今回の銀座三越展でも中サイズを3点がやっと間に合いました。
これからの課題として、展示現品を見ながらお客様それぞれに合う仕様オーダーしていただく「カスタムメイド」を気軽にできるようにしたいと思っています。オーダーいただくにも今回の展示では浅いタイプのものがすぐに売れてしまい、現品見本がないとイメージしにくいかと思います。オーダーの場合はどうしても1〜3ヶ月お待ちいただくのもネックですので、できれば各サイズ途中まで絞り鎚ちを進めておくと、素早く対応できるでしょう。オーダーでも、現品でも価格は変わりませんので、魅力のある買い方になれば良いのですが。
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4日から開催の銀座三越展も昨日が中日。会場写真に写っているものも、すでに現品はお買い上げいただいたものがいくつもあります。写真のこれがとか、サイズ違いがとかのご要望でオーダーいただけます。特に、両手鍋・片手鍋・フライパンなどレギュラーに作っているものは、ご要望に応じてサイズや縦横のバランスなどをご相談しながら作るカスタムメイドを承ります。会場で気軽に声をお掛けください。
先月の日本橋三越展では大きい酒器2点が先に売れてなくなり、今回はなぜか小さい方2点が売れてしまいました。大きい方(2合用)は2点残っています。1合用もオーダー承ります。
月を背景に秋風にそよぐススキを眺めながら一杯、夕日に輝く紅葉を愛でながら一杯、木枯らしに負けずに燗酒を一杯、雪見で熱燗を一杯・・・お酒を飲む理由に事欠かない季節が続きます。
No.5569 銀流し銅酒器 大 2合用
口径69mm 底径68mm 高さ169mm
重さ457g
税込価格 ¥29,700
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異次元区間です。会場には10時半ごろから6時ごろまでおりますので、おいでの時は声をおかけください。
昨日の朝は3度まで下がり、今朝も5度。一気に秋本番。長年鉢植えにしたままのナスターシャムが急に元気に咲いている。冬の間も室内で時々咲く変な奴だ。変といえばシワシワの花びらの一部に毛というか突起がある。なんのためやらよくわからないが、受粉を助けてくれる虫の侵入を妨害しているようでもあり、いったん中に入った虫を出にくくさせているようにも思える。何かナスターシャムにとって利益があるのだろうが、花びらを変化させるのにどれだけの時間が必要だっただろうか。その間、たいした効果もないまま何世代も小さな変化を繰り返したのだろう。
銀座三越展前日に仕上げて初日に持ち込んだ変形縁の両手鍋。前回の日本橋三越展出品に続いてホニャラッとしたカーブの縁2作目。この鍋、名前をどうしようかと迷う。「ホニャラ縁両手鍋」ではなんのことやら。とりあえず、「両手鍋 変形縁」おもしろくもなんともない命名です。
今回は浅いバランスで、すき焼き、パエリア、オーブン料理、ムニエル・・・などなど。スライスしたリンゴやお芋をバターと砂糖でオーブンに・・・秋鮭と秋野菜とキノコの焼き物・・・楽しく遊んでください。
No.5570 両手鍋 変形縁
全長283mm 幅265mm 内径212mm 全高67mm 重さ989g
折返部高40mm 同容量約1.1L
税込価格 ¥101,200
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銀座三越の会場写真です。大きなテーブルの真ん中には木彫りのライオンが座っている。ライオンといえば三越のシンボル。一階正面玄関の横に座っているブロンズのライオンの周りには大勢の人が群がっていた。
展示会場は明るく、他のグループ展やガラス・木工・焼き物などいろいろ楽しめます。
夏から一気に秋を飛び越えて冬になりそうな気温の変化ですが、誰でもが知る秋の七草の一つオミナエシ。ヒマワリを筆頭に黄色の花の大きいものが多いが、オミナエシは極端に小さいくせに存在感がある。
女郎花と書かれ、女性の美しさを圧倒する(圧=へし)ことからオミナエシと呼ばれたと言われるが、それほどのものだろうか。平安貴族の歌にはこじつけ表現で遊ぶことが多い。
よく似ているが全体の印象が無骨で白い花のオトコエシが同じ時期に咲いている。花はいくらか大きく白米のようだからオトコメシで、黄色く小さい方は粟飯に見立ててオミナメシと呼んだ、ということの方が納得。花より団子、色気より食い気。
2日に銀座三越展の出品作品を昼過ぎに発送して、とりあえずプレッシャーから解放。これはその荷物に入れた最新作。機能としては両手鍋ですが、持ち手がないのでなんと呼ぼうか、前回も迷ったところ。「銅鍛造四角鍋」、「鍛造銅鍋四角縁」あたりだろうか。前作が丸っこい四角だったのに比べて、こちらは少しシャープな感じ。内部の容量は約1.5L。ちょっと深めなので、鍋料理や煮物向きです。
No.5568 銅鍛造四角鍋
対角長280mm 幅230mm
内径205mm 高さ88mm
折返部までの高さ58mm
同容量約1.5L 重さ917g
税込価格99,000
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No.5567 両手鍋 銅蓋
口径194mm 本体高96mm 全高200mm 全重1.73kg すりきり容量約2.5L
税込価格 ¥136,400
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銀座三越 本館7階 ジャパンエディション / エムケイ・クラフト 本日オープンの展示販売です。
会場には10時半ごろから6時ごろまでいる予定です。お問い合わせは寺山 携帯 090−4180−2478へ、お願いします。
展示出品一覧は次の通りですが、両手鍋・片手鍋はサイズやバランスなどお客様のご希望でオーダーもできます。
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秋雨か朝露か。スギナに無数の水玉が朝日に輝いている。この時期、秋雨前線の位置によって気温が大きく変わる。前線が北上すれば南の暖かい空気が入り16度前後に上昇し、南下すれば冷え込む。9月下旬の数日10度をきっていた。今朝10月3日は大陸から高気圧がやってきて前線を押し下げ、早朝の気温は5度。寒い。また一段秋が深まるだろう。
ツクシはスギナの「子ども」だと、子ども知っているが、ツクシが秋に生えたなら頭から胞子を飛ばす様子など、キノコだと勘違いしそうだ。スギナにはどんな花が咲くのだろうと不思議に思うことさえないほど、どこにでも生えている。もちろん、花も実もできなず、ツクシが飛ばす胞子で増える。光に輝く水玉が、花の代わりに存在をアピールしている。
内径約20cm。この両手鍋丸縁木蓋タイプは汁物や煮物中心の深いバランスから、鍋料理など食卓使いの中ぐらいのバランス、オーブン料理やすき焼きなどに向く浅いもの・・・各種各サイズ揃えてご覧いただきたい・・・なんて思いつつ、明日からの銀座三越展にも1点のみ。オーダーの見本の役を担ってもらう予定だが、初めに売れてしまえば見本もなしに写真でオーダーしていただくしかない。
シンプルで飾り気がない分、他のデザインの両手鍋より価格が低い。けれど機能性は決して劣らない。今後、展示現品の即売だけではなく、お客様の好み・人数・用途等々に応じてサイズやバランスを検討して制作する「カスタムメイドの銅鍋」を展開していきたいが、その一角を担うことになるだろう。
No.5566 両手鍋 丸縁木蓋
外径233mm 内径205mm 高さ78mm 重さ1.16kg 折返部までの容量約1.7L
税込価格 ¥86,900
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残暑が去る前から色づき始めたサクラの葉は、秋の紅葉というより夏の疲れを感じさせる。遠目にはパッとしないが、近づいて一つ一つの葉の変化を見ると味わい深い。サクラといえば一斉に花が咲き、一斉に花が散るという印象が強い。その季節のサクラはあまり好きになれないが、半年の間、働き続けて実を実らせ、来年の芽を準備して役割を終えていく葉は黄色・赤・茶色に変わり、すでに散っているものもある。お揃いではない終わり方にはそれぞれの歴史が・・・。
写真では逆に見えるが、左のほうが小さい3カップ用で右が一回り大きい4カップ用です。一緒に並べて撮影すればよかったのですが。定番の片手鍋浅型、すりきり1リットルと1.25リットル。右の方が口径も深さも1cmほど大きい。ともかく使用頻度の高い道具で、それでだけに修理に戻ってくることも多い。本体の修理が終わって持ち手を打ち込む時に、パイプ状の取り付け部分が本体から外れてしまうこともある。少し前から金具の径を太くして、その結果持ち手も太くなっています。以前のスリムな感じと比べると、いくらか鈍重な印象ですが、黒檀の持ち手を握った時の安定感がいい。
No.5564 片手鍋 朝型 小
口径148mm 本体高71mm 重さ649g すりきり容量約1L 税込価格 ¥49,500
No.5565 片手鍋 浅型 大
口径158mm 本体高80mm 重さ746g すりきり容量約1.25L 税込価格 ¥52,800
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制作に追いまくられて作品の紹介が遅れています。
左は9月初旬の日本橋三越展示中に、台風で1日お休みをいただいて仕上げた酒器の大小。左は日本橋三越展が終わって、最初の仕上げ。次の展示に向けての過酷な制作スケジュールの、言わば小手調べ、肩慣らしにはいくつあっても足りない酒器がちょうどいい。なんて余裕のある話ではなく、次の展示10月4〜10日が終わったら速攻で25個作らなければならない。ポックリいってしまえば後は野となれ山となれなのだが、病気や怪我で足踏みは許されない。気合を込めて赤い背景で撮影してみました。
No.5560 銀流し銅酒器 小 口径57mm 底径58mm 高さ141mm 重さ302g
No.5561 銀流し銅酒器 大 口径65mm 底径68mm 高さ171mm 重さ459g
No.5562 銀流し銅酒器 大 口径65mm 底径68mm 高さ170mm 重さ457g
No.5563 銀流し銅酒器 小 口径56mm 底径57mm 高さ140mm 重さ303g
酒器 大 税込価格 ¥29,700 酒器 小 税込価格 ¥25,300
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10月4日、来週水曜日から一週間、ギンザ三越 本館7階 ジャパンエディション/エムケイ・クラフト で展示販売いたします。
DMトップで「銅を鎚つ」の「鎚つ」は「うつ」と読み、金鎚でうつこと。私は木偏ではなく金偏の鎚つを使っています。小さい字の文中に「鎚き」とありますが「鎚起」と書き、平な銅板を金鎚でたたいて立体化する作業です。よく世間では「打ち出しの銅鍋」と言いますが、実際は内面を打って出すのではなく、内面に金床を当てて外側からたたいて鎚ち絞る作業を繰り返し、銅板の周辺を起こして立体化します。鍋に限らず、その作業で作られたものが「鎚起銅器」と呼ばれています。
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左半分は夏前から咲いていたキクイモモドキで、タネが飛んで今生えた小さな株では今も花が残っている。左は9月になって咲き始めたキクイモ。右のキクイモはもどきより背丈が高く3m近いものもある。はなはよく似ているが、全体の印象はかなり違い、遠目には簡単に見分けられます。
群生するキクイモモドキは元祖キクイモより早く長くたくさんの花を咲かせている。掘り返してみなければ芋があるかどうかわからないのだから、キクイモの擬きとされるのは不当な扱いと思う。キクイモにあやかってとか、その姿に似せて何か得をしようというさもしい魂胆があるわけではない。観賞用には同じ時期に咲くルドペキアの仲間より綺麗だと感じる。日が当たりさえすれば条件の悪い土でも強い繁殖力で増える。モドキの他にイヌキクイモというのもあるらしいが、見たことはない。元祖キクイモは一番ごついし、全草家畜の餌にもなるので、むしろウシキクイモとでも名付けて方が良さそうです。まあ名前なんて人間の都合に過ぎない。
キクイモには食べられる芋できるが、特段美味い訳でもなく、その薬功がひじょうに期待されている訳でもない。インスリンの代用になると言うが、そこは怪しいもので糖尿病患者でもないと知らないだろう。メジャーな存在ではないキクイモの偽物という名前は、そもそもキクイモを知らない人にはピンとこない。
キクイモはやたらと背が高く3m近い。剛毛が生える太い茎だが、群落の縁では倒れているのもある。通行の邪魔なほどのサイズなので、片付けるついでにてっぺんの花と蕾を水にさしておいたら咲いている。キクイモモドキより花びらの数が少なく、スッキリというかスカスカという感じ。葉は先まで鋭く尖り、目立たない小さな鋸歯がある。野放図なまでに背が高く、密に生えるので、面責あたりの生物量はかなり大きいだろう。特に手入れもいらないので、家畜の餌としては有望な気がする。値上がりした輸入飼料に対抗できるかもしれない。
この掛け花入を作ったのは、日本橋三越展示の前日で、まだ真夏の天気・・・で夕立と雷。落雷で停電になったら仕事にならないなとヒヤヒヤしながら無事完成。このシリーズとしてはずんぐりと大きい。たぶん、置いて使われるだろうが、一応裏に穴を開けてあるので、掛けて使うこともできます。
No.5559 銀流し銅掛け花入
直径63mm 高さ181mm
重さ453g
税込価格 ¥27,500
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左はメマツヨイグサではないかと思うが、確かではない。マツヨイグサの仲間は黄色い花のものだけで4種類ぐらい。いずれも幕末から明治にかけての外来だが、メマツヨイグサは比較的新参者。ともかく美しく背丈もあり目立つ鮮やかな色。夜から午前中で萎むのだが、次々蕾が開くのでいつまでも咲いている感がある。美しいからといって花壇に植えられることはなく他所から来た「日陰者」扱いなのだが、なぜだろう? 可憐さに欠けると言うならヒマワリだってルドペキアだって・・・。「宵待草」と呼べば少しは好かれるのか? 勝手に増えるので世話する楽しみがないのか? 浅間山の火砕流に上に建つ仕事場はよほど手入れしないと可愛い園芸植物には向いていない。憎まれっ子、世(夜)にはばかる。
右も憎まれっ子の一つ、ブドウの花のような房状に咲いていたヨウシュヤマゴボウが、いつの間にか黒い実になっている。房の根元から順番に咲いて順番に実が熟す・・はずなのですが、臍曲げている実もちらほら。よそ見してたって泣きを見るとは限らないか。
実の色は真っ黒だが中身は赤紫。インクの代用になるほどたっぷりの色素で、茎まで染まっている。昔ワインの色付けに使ったとか・・美しいが毒です。水で薄めても毒の総量は減りません。
日本橋三越展の前に仕上げたのですが、展示してすぐに売れてしまいました。写真では分かりませんが、ふだん作っている浅型の片手鍋より大きい。すりきり容量では1.25Lで、いつもは1L。余裕で4カップ用ですが、見た目はそれほど大きい感じがしない。ミルクパンのイメージですがちょっとした煮物、汁物、うどんやそば、毎日なんども使う道具です。
No.5558 片手鍋 浅型大
口径156mm 本体高79mm
重さ749g すりきり容量約1.25L
税込価格 ¥52,800
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朝顔の鉢植え。なぜか、じかに植えたものより鉢植えの方がたくさん咲いた。よほど土が痩せているのか。高く伸ばさない方が良いのか。細い茎で高い先の方まで栄養を送るのはたいへんかもしれない。校舎の2階まで平気で昇る外来のアサガオに比べると遠慮深いが、いつも下向いて歩いている私には、この方がいい。先週金曜日は台風直撃かと鉢を家に入れたが、グズグズ上陸を渋っているうちに、昼間の朝顔のようにしぼんでしまった。気象庁のスパコン予測は大外れ。
半分が赤で半分が白いアサガオが咲いているのかと思って近づくと、ただ密着して咲いているだけだった。10時ごろ、白い花はまだ元気だが赤い方はどれも萎れていた。なぜだろうか?熱線を吸収するからだろうか? これは赤といっても紫に近いのだが、赤白柄というのは幔幕や饅頭、国旗もあまり好きになれない。赤い勝負下着には縁がないが、赤いTシャツは時々着るので、赤が嫌いな訳ではない。赤白の組み合わせでなんとなくマインドコントロールされる感じがどうも・・・。
展示会にないと寂しいのがこのコーヒードリッパー 。爆発的に売れるなんてことはないが、いつの間にか在庫がなくなる。便利な道具ではないし、特段美味しく入るわけではない。コーヒーの味を左右するのは豆と腕だろう。さまざま売られているコーヒーメーカーの中では不便な方かもしれない。
お客様は簡単便利を求めているとは限らない。注ぐお湯と細かい泡を見ながら会話が進む。香りに包まれてゆっくりとした時間が流れていく。どこか一本筋が通っていながら、かたぐるしいこともない空気が醸し出される。そんな場面を想像するのかもしれない。
明日火曜日まで開催中の日本橋三越5階クリエーターズテーブルに展示中のコーヒードリッパー とそれをのせられる片手鍋深型2種。右の黒檀手のものはミルクやスープ、ちょっとお湯を沸かしたらと出番が多い。左の真鍮手のものは高温に耐えられるので、ちょっと焼いたりソースやお菓子作りにも。どちらもすりきり容量が約950mlで実用上3カップ用です。
No.5557 銅黄銅 コーヒードリッパー
全高277mm 全重498g 釣り台直径141mm(内径136mm)
カリタ社の紙フィルター2~4カップ用が合います
税込価格 ¥47,300
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