40年前、最初の試作品とNo.5001 片手鍋を比べると・・・

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    5001、試作品

    仕上げ直前でおいてあった片手鍋 浅型3カップ用。両手鍋 銅蓋基本形とともに、銅鍋の原点とも言える道具ですが、個人的にも仕事の原点です。横に並べたみすぼらしい小さな片手鍋。修理に来たものではなく、40年前に鍛金の仕事を開始するときの最初の試作品です。もちろん、売り物になるわけもなく、作品番号もつけていません。彫金技法で銅の小物を作っていた当時、信州に越して来て、少し大きなものも作くれる環境に変わり、試しに手持ちの道具と材料で鍛金技法がやれるものなのか、修行することもなくいい加減な心構えで試作したものです。こうして並べてみると、基本構造はほとんど変わらず、いささか進歩のない仕事ぶりに呆れます。40年かけて、細部のみ完成度を高めてきたということでしょうか。

     

    この試作品、しばらくミルクパンとして使いましたが、ご覧のとおり小さすぎて不便。その後は10年ぐらい、大きな錫の塊を融かして、鈴引きがやり易いような棒状にするために使っていました。調理温度より高温で錫を融かすために、銅が次第に融け出して温度が上がる底の角に小さな穴がいくつもあいてしまい、道具としての生命は終わりました。職人さんの仕事場なら神棚があって、そこに鎮座すべき記念作品です。信仰心もなく職人でもない私ですが、捨てることはなく、とりあえず作業をしている場所の一番高い棚で埃にまみれておいてあったものを、写真どりのために拭いて並べてみました。5,000個の鍋、量産工場なら1週間分の仕事でしょうか?

     

    新しい方の片方鍋はNo.5001。 今回は少し長めの持ち手となっていますが、これは黒檀の材料が半端に長く残っていたので、そのまま使用した結果です。長い方が使いやすいのですが、あまり長くすると鍋の座りが不安定になります。

    No.5001 片手鍋 浅型3カップ用 口径151mm  本体高さ70mm

      持ち手部全長130mm   全重635g   すりきり容量約1リットル   

      税別本体価格 ¥38,000

     

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