星のヒヤシンス? イタリア製厚手片手鍋の修理

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    星のヒヤシンス

    昨朝は氷点下でしたが、今朝は4度ぐらい。半世紀も前のことだったと思いますが、春になると多くの家の窓辺にヒヤシンスが咲いていました。いわゆる水栽培とよばれる大きな徳利型のガラス容器の上の半球形部分に球根をのせて並んでいました。球根からは下の水に向って根が伸び、葉が出て茎が伸び花が咲く。植木鉢や土がなく、なんとなく現代的、人工衛星や宇宙探検の時代にふさわしい新鮮さを感じていたのでしょう。

     

    すっきりと片付いてシンプルな色調の家には似合いそうですが、いたるところ、窓辺りと言えども雑然と道具やら本やらが積んである仕事場では、人工的な色数が多すぎて、植物の色がくすんでしまいます。冬枯れの寂しい大地から緑が芽生え、鮮やかな花の色に出会う喜び。スイセンやクロッカスの大振りな花ではなくても、陽射しに向って咲く小さなオオイヌノフグリでも、春の到来を目一杯告げているようです。写真左は「星のヒヤシンス」というらしい。正式な名前はちょっと調べただけでは見つかりませんでした。右は原種に近いヒヤシンスでしょう。花茎が伸びて横向きに咲いていますが、地際で上向きに咲く鮮やかな空色の花の強い印象にはかないません。

     

    片手鍋修理/石井健夫

    昨日修理したPentole Agnelli 社製の片手鍋。直径16cmあまり深さ10cm弱の割には重さが1.2kgあります。真鍮鋳造の持ち手が重いこともありますが、本体の銅板の厚さも2.5mm としっかり作られています。家庭用と言うよりプロ用として作られたものでしょう。この厚さになると、板金から手で鎚ち絞るのは不可能ではありませんが、特別なオーダーでなければちょっと厳しいかなというところです。この製品も機械的に成形したのち、側面を鎚って締めているようです。持ち手の裏側には、滑り止めの出っ張りが3段。良く考えられています。私が作る片手鍋の真鍮持ち手は、鋳造ではなく丸棒から鎚ち伸ばし、上面と側面に横向きの鎚目を施すことで滑りにくくしています。

     

    左上が依頼された時の状態で、汚れやこびりつきはなく、錫のはげ落ちと多少の腐食が見られます。錫が少しはげたぐらいで錆が出ていなければ使用上の問題はありませんが、銅素地に腐食が見られる場合はそれ以上進まないように早めに錫引きをいした方が良いでしょう。焼き鈍りや変形はなく、錫の引き直しのためにクリーニング。いったん、残っている錫を全て取り除き、その後に新しく錫引き。錫引きは本体全体を加熱しますので、その際に生じた汚れを硫酸で落し、ピカピカに磨き挙げて新品同様(新品の状態を見たわけではありませんが)に仕上げ。強度の空焚きや変形がなく、鎚ち直しが必要ない場合は、私が作っている同じ大きさの鍋の新品価格の20%程度の修理代になります。

     

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