縄文土器とは逆の指向・・・No.4520 舟形鍋
ここ数ヶ月、考古学関連の本を何冊か読み、「こどもの日」にはいい齢して一人で縄文ミュージアムに出かけたりと、ちょっと旧石器文化、縄文文化にハマっていました。壮麗で力強い土器の表現に対抗心を燃やしながら、今回仕上げたのはまったく反対の指向。シンプルでスレンダーで、装飾性を削ぎ落したものです。底以外にはどこから見ても直線はなく、持ち手さえもなくしてしまいました。「粋な」とか「小粋な」感覚を目指したものですが、和英辞典で探しても「粋」という表現が英語では難しいようです。スマートと言うのもちょっと違いますね。
持ち手のかわりにあけた二つの穴、お箸2本を両側から差し込むと、案外安定して持ち上げられます。火にかけても、オーブンでも、冷たいものでもいいのですが、そんな機能性はあって当たり前。お客様はきっと形の好み一本で選ぶでしょう(他に取りえがないと言われそう)。回転体ではないため、どの角度から見ても連続的に変化する異なる曲線が作る動的バランス。やはり、狙いを言葉にしても虚しいだけで、作って見せるしかない。狙い通りに出来なければ、売れ残って不良在庫の山が出来る? 不良在庫の山に埋もれる悪夢を見ながら、在庫不足に追われています。売れないものを大胆に作れば、在庫不足は一気に解消。しばらく、その線で・・・???
No.4520 舟形鍋 長径32.5cm 短径14.7cm 高さ6.1cm/2.7cm 重さ571g
税込み価格 ¥45,360
JUGEMテーマ:アート・デザイン
- 2016.05.08 Sunday
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