両手鍋の銅蓋/工程を見る

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    銅蓋工程

    台風は早足で通り過ぎ、作業場は少しだけ雨漏り。3.11以来、冬の大雪、御岳山の噴火など、自然のリスクについて考える事の多い田舎住まいです。このところ、期限が限られている両手鍋4個の仕事にかかり切りです。7〜9月は大小5ヶ所の展示会があり、次に備えて売れたものを補充し、新作もと気持ちは焦りますが、やる事はやらなければなりません。両手鍋本体は鎚ち終えて、蓋にかかっています。本体の口径は21cm弱で、蓋の銅原板は直径26cm。通常、本体の口径の1.3倍よりちょっと小さめにします。本体銅板の厚さは1.5mm〜2mmですが、蓋の外縁部を折り返さない炊飯型以外は、蓋の銅板の厚さは1.2mmです。小さい片手鍋の蓋は1mmを使います。

    荒鎚ちの段階では(真ん中手前)本体口径より少し小さくなるまで鎚ち絞ります。右側のもののように、中にすっぽり入る感じです。真ん中うしろは、途中まで仕上げ鎚ちをした状態で、もう少し絞り込みながら仕上げる必要がありそうです。左が蓋の仕上がった状態です。4個の鍋、本体と蓋がどの組み合わせでも使えなければなりませんので、通常より僅かに蓋を小さく、2mm程度の遊びがある状態にします。4個を直径と高さともにぴったり同じに仕上げるのはやっかいで、高さは3mm程度、口径は2mm以内の違い、という辺りで勘弁してもらいます。高さは一番小さいものに合わせて切りそろえてしまえば、ぴったりになりますが、わざわざ小さくする意味もありません。

    蓋の重さは本体の半分ぐらいになることが多く、と言う事はかかる材料費も半分ぐらい。仕上げるのにかかる時間も本体の半分ぐらいですので、価格も半分ぐらいに設定しています。本体だけなら8万円の鍋に銅蓋をつけると、総額12万円になるという具合です。木の蓋は通常おまけでつけていますので、銅蓋のものは高くなりますが、大きな蓋にたっぷり熱い蒸気が対流し、料理の仕上がりは早く、蒸らされて柔らかく、弱火であまりかき混ぜる必要がないので、煮崩れしにくくきれいに煮上がります。そして、食卓に運んだ時の、豊かさ。木の蓋をのせる両手鍋に較べると、じっくりサイズや形を考えながらオーダーされるお客様が多いのも特徴です。

    蓋が終ると、持ち手や蓋のつまみなど、細かい作業になります。使うのは真鍮の丸棒で、熱しながらの作業も入ってきます。真夏の暑い盛りにはあまりやりたくない作業ですが、季節は快適。次の台風で作業場の屋根が吹っ飛ばないうちに仕上げてしまいたいと思っています。

     
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