金鎚の相方・・・金床の各種

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    金床各種

    鍛造、特に「槌起」とか「絞り」と言われる、銅板や銀板を鎚で立体の外側から鎚って、口径を絞り込んで行く作業では、鎚と金床(かなとこ)が主役です。左側に林立する金床類は、作業中裏側に入って見えなくなりますので、案外映像では注目されません。右側の写真は西洋風の金床でアンビルと呼ばれています。鉄の鍛造(鍛冶屋仕事)に使われることが多く、絞りではなく延ばしたり曲げたるする作業に使われます。鍛冶屋がヤットコではさんだ熱い鉄をハンマーで鎚つ度に、飛び散る火花の映像でお馴染みです。絵になる作業ですね。私の場合は、おもに鍋の持ち手の成形に使います。左の金床を使う絞り鎚ちは、コツコツ地味〜に繰り返していきます。

    銅板を曲面に絞り込んでいきますので、金床の頭は一般に曲面です。鉄と違い、銅板は一度焼きなますと冷えても柔かいので、手で持って金床に当てて、鎚で鎚ちます。当て金とも呼ばれる所以です。平らな銅板を、何度も鎚っては焼き鈍してまた鎚ちます。あらかた形を作り上げるまではちょっと荒っぽい作業ですが、仕上げ鎚ちになると金床と銅板の角度や接点で、銅の両面の仕上がりが微妙に変わります。その結果で鍋の内側の表面が滑らかにできるか、外から見た曲面が思い通りの曲線を描くかが決まります。鎚を振り下ろす角度も重要で、そのために椅子の高さを変えたり、時には床に座ったりおかしな格好で鎚つこともあります。

    金床の頭の曲面は好みのアールに研ぎ出します。表面に傷がつくと、銅板の方にそれが転写されますので、ときどき磨きます。芸大などの大学で鍛金を教わった人は、たくさんの種類の金床を使い分けるようです。100本もあると、自慢げに言われることもあります。私はせいぜいその10分の1ぐらい。むしろ、道具の形体にしばられて作業するより、フリーハンドで自由に成形する方が好みです。その上、鍛金などというほとんど「絶滅危惧職」では、その道具がだんだん手に入りにくくなります。鎚はまだ、彫金でも使う人が多く、普通の大工仕事や職人仕事で使う鎚でも、加工すれば使えるものがいろいろあります。その点、金床の入手には不安がありますが、毎日使っているからといって減るわけではありませんので、とりあえずは困る事はありません。今日も、金床は銅板を当たられて、鎚でたたかれています。
     
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