この冬、何度目の雪かきだろうか。残雪の上に新雪       在庫がたまらない酒器づくり No.5653,5654

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    240313雪

    12日の昼過ぎ、標高が300mほど低い佐久市に出かけた時は雨。気温は4度。帰り道の御代田町ではみぞれで気温は3度。軽井沢に戻ると雪で気温は2度。プラスの気温でも雪になるのは、上空は0度以下だからか。2〜4度が雪と雨の境目。累計するとこの冬はすでに1mを超えているだろう。降り始めが2月に入ってからなので、強い昼間の日差しで融けるから助かっているが、1月だったらかなり難儀しているだろう。

    明け方まで降ったらかなりの積雪になるのを覚悟していたが、早めに止んだらしい。傾いた屋根の左部分は昨日の新雪。右の一段高い部分は、残雪の上に積もった新雪。場所によるが10〜15cmといったところか。先月以来、何度目の雪かきだろう。春の雪は重い。

    5663,64酒器小大

    酒器大小を仕上げて、小の方は他の鍋4点とともにすぐ出荷、九州のギャラリーに向けて発送。5月中に酒器大小10個ずつのオーダーがあるので、在庫がほとんどないという状態が当分続きそうだ。

    作っているものは飾りものではなく、どれもが道具。誰かが使うことで存在価値が生まれるのだから、作ったものがどんどん人手に渡っていくのは当然のこと。仕事場に展示場や個人ギャラリーを持つことは終生なさそうだ。

     

    No.5653 銀流し銅酒器 小

     口径56mm 底径58mm 高さ141mm 重さ304g

     税込価格 ¥27,500

    No.5654 銀流し銅酒器 大

     口径65mm 底径68mm 高さ170mm 重さ459g

     税込価格 ¥33,000

     

     

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    雨氷? 氷に覆われた植物 スイカズラの葉とナラの冬芽      銀流し銅酒器 No.5651,5652

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      雨氷スイカズラとナラ

       

      一昨日の雨が今日は雪。変な雪で顔の当たると痛い。氷が混ざっているのか。気温が下がってひょうてんか4〜5度、降る雨どんどん凍っていくので、枝や葉の周りには分厚い氷。雨氷と言うのだろうか。写真はスイカズラを覆う分厚い氷。

      今日は灯油の安売り日なので、昼休みに出かけようとしたら、汚れたオンボロぐるまが輝いている。車が大きな氷の塊になっていいる。もちろんドアも開かないのでエンジンをかけて温めることもできない。ドアノブやドアの隙間にお湯を注ぎ、フロントガラスには風呂の残り湯を。雪より10倍は手強い相手。生命の源、水は変幻自在。

       

      今朝23日は普通の雪が積もっている。気温は氷点下5度。一昨日まで菜種梅雨のような前線が列島南岸にあって雨だったのが、昨日から気温が下がり、雨と雪と氷が混在。降った雨が凍りつく雨氷? 

      たぶんナラの枝だと思うが、去年の残り葉も今年の新芽も氷の中に。枯葉は良いが、新芽は生きているのだろうか。動物なら凍死と窒息死のダブルパンチだが、植物は平気なのかもしれない。春になってみないとわからないけれど。

       

      5651,52酒器小大バレンタインとやらも終わってつぎはひな祭りかと思っていたら、世間は今日からまた3連休らしい。今月は閏年で29日あるが、休日祝日が10日なのでサラリーマンが働くのは19日ということか。ちょっと浮かれすぎではないだろうか。
       

       

      働きたいときに働き、休みたいときに休むというのが理想かもしれない。一斉に休日祝日を決められても、休日の方が忙しい職業もたくさんあるし、私のように関係ない者もいる。もっと自由に、もっとしなやかに・・・。
      No.5651 銀流し銅酒器 小

       口径56mm 底径58mm 高さ141mm 重さ305g

       税込価格 ¥27,500

      No.5652 銀流し銅酒器 大

       口径66mm 底径67mm 高さ170mm 重さ460g

       税込価格 ¥33,000
       

       

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      冬は木々の樹形が見やすい・・・モミとカラマツ        鍛金の仕事に量産効果はない  銀流し銅酒器大小 No.5648,5649,5650

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        冬のモミとカラマツ

        昨日11日、夕方かたら雪がちらほらし始めて、夜スーパーに買い出しの頃にはうっすらと地面が白くなっていた。賑やかに舞うように降る雪が積もることは少なく、シンシンと音が消えるように降る雪が怖い。今回は積雪の積み増しはなく、前に降った雪が今も20cmほど。

        冬のモミ。枝は雪の重さで垂れ下がり、クリスマスツリーの趣がある。日本のモミは雪がなければ大きな枝はほぼ水平、上部の短い枝はいくらか上向き。よく見ると輪生する枝の出方には段があって、その間隔は一年分の成長を表し数10cmといったところ。室内に若いモミのクリスマスツリーを飾ると、間隔が広い枝ぶりは上を向いて、なんだかスカスカした印象になる。

        この辺りの森は様々な変遷を経て、最終的にはモミの林になると言われるが、利用価値が低く、動物たちが住みにくい暗い森。人の手を入れなければそうなるというだけで、その極相林が好ましいというわけではない。

        冬は木々の樹形がよく判る。針葉樹の中でもカラマツは特に葉を落とすので、枝ぶりが見える。葉がないため雪は早く落ちて、そのあと朝日に白く輝くのは霜。幹の太さのわりに枝が大きいのは林縁部で空間が広く日射量が多いからで、密集したカラマツ林ではもっとひょろっとした樹形になる。
        カラマツ材は市場価格が低く、密集したカラマツ人工林は近年評判が悪いが、成長は良く、造林のやり方や材の処理方法を工夫すれば建築材として悪くない。木目が際立つ野性味のある美しさ。

        5648,49,50酒器大小銀流し銅酒器、今回は大を二つ小を一つ仕上げ。通常は大小一つずつ仕上げることが多いのですが、当然今回は1.5倍の時間がかかる。まとめて作る量産効果はないのが鍛金の仕事です。


        これから6月にかけてかなりの数作らなければならない。効率よくと思うが、一つ一つ確実に作るのが結局は早道。近道がないどころか、実情は道草食ったり、脇道に逸れたり。

        この3点、すでに旧軽銀座のDark Eyesに納品済みです。ご希望の方はそちらへお願いします。

        No.5648  銀流し銅酒器 大
         口径65mm 底径68mm 高さ170mm 重さ458g       税込価格 ¥33,000
        No.5649 銀流し銅酒器 大 
         口径65mm 底径67mm 高さ171mm 重さ460g        税込価格 ¥33,000
        No.5650 銀流し銅酒器 小
         口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ301g        税込価格 ¥27,500

         

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        寒波の朝は浅間に新雪、ちょっと緩むと霜の朝         工程の多い酒器の制作 No.5631大、5632小

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          浅間新雪の朝とカラマツ霜の朝

           

          本格的な冬型の気圧配置になることも多く、日本海側では雪、内陸の軽井沢は寒風だが浅間山には新雪。

           

          左は22日冬至の朝。軽井沢といえば旧軽井沢や新幹線の駅周辺、追分宿など観光客が多く訪れる場所があるが、南北15km東西10kmの町域の中ではいずれも端っこの方に位置する。町の真ん中、ヘソのような位置にある集落が中軽井沢で、昔は沓掛宿と呼ばれていた。ここには取り立てて観光スポットはないが、徒歩や自転車で巡る観光客がカメラを向けるのが湯川橋のたもとから見上げる浅間山。赤い橋は長倉神社の参道。夏祭り(祇園)の花火大会では人が大勢歩いているが、昔の木の橋と違い、今は鉄製で下駄で歩くとひどい音がする。この場所の良さは、電信柱や電線が写らないこと。

          山腹に朝日が当たって明るく輝いているが、新雪がピンクに染まる瞬間はなかなか見られない。ちょっといいかなと思っても、写真にするとパッとしない。冬至の朝。強かった日差しも午後はどんより、夕方には雪も降り始めた。太陽が一番弱い一日。

           

          寒波が緩んで少し温かい氷点下5度の朝。夜明け前から外が明るい。雪?恐る恐るカーテンから覗くと、一面の霜。うっすらとではなく、棘状の霜がびっしりついている。近所の小高いカラマツの森が輝いている。カラマツは芽吹きの頃、黄葉の頃、そして霜や雪をまとってなんども変身する。陽が高くなれば儚く消える薄衣。

           

          5631,5632酒器大小酒器をまとめて作るオーダーは一段落。通常はこの様に大小1本ずつ作ることが多い。いくつ作っても際限がない「銀流し銅酒器」の大小。工程の7割が槌と金床で銅板を鎚つ鍋作りに比べると、こちらは工程が多く、順番に進めないと辻褄が合わなくなる。銀ロウ(2分ロウ)を融かしてベタに塗る最初の工程と内部に錫引きをしながら底板をはめ込んで固定する最後の工程が難関。銀ロウ流しは後から修正がきかない。錫引きはこれなしには仕上がらない=売り物にならない。まあ、どの工程も手抜きすると後でしっぺ返しがくるってことですね。

           

          No.5631 銀流し銅酒器 大(2合用)

           口径65mm 底径66mm 高さ170mm 重さ455g

          No.5532 銀流し銅酒器 小(1合用)

           口径56mm 底径57mm 高さ140mm 重さ303g

           

           

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          生き物は気ままに生き延びる・・ヨモギの多様な生存と繁殖   No.5628,5629 銀流し銅酒器 小2点

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            ヨモギ3様

            氷点下10度以下に冷え込んだクリスマス寒波が去り、26日は−5度の朝。

             

            いずれも仕事場に生えていたヨモギの冬の姿。左はたぶん夏頃に草刈りで刈り取ったヨモギの根からその後に芽生えた若い株。まだ元気が残る若い葉は寒さで枯れずに紅葉している。茎の頂点は成長する可能性さえ見える。同じヨモギでもすっかり枯れてタネをつけているもの、ほとんど枯れても茎の上部にまだ緑の葉が残るものなど、様々な老と死と再生が見られる。

            生物の繁殖方法は多彩。クリスマスを楽しむ人間は多いが、マリアの処女懐胎を信じている人がどれぐらいいるのだろうか。人間にとっては通常ありえない神の奇跡とされることも、例えばアブラムシ(ゴキブリではない方のアリマキ)のメスは交尾せずにポコポコ・・・たくさんのクローンを産む。オニユリやヤマイモのムカゴもそうだ。花粉が雌しべについて新しい遺伝子を持つ次世代を作りながらも、球根が分れて増えたり、ランナーを伸ばして新しい株をも作る。繁殖には正解とか勝ち負けとかがあるのだろうか。変幻自在な生き物たちの営み。クリスマスソングが流れていた冬の街、ホームレスや母子家庭に冷たいヒトの社会。

             

            5628,5629酒器小酒器は大小(1合用と2合用)を作っていますが、今回は小を二つ。最近、一般のお客様には大1に対して小2ぐらいの比率で売れる。手頃感?食卓でのおさまりの良さ?酒量が減少?健康志向?多人数で飲むことが少なくなった? どうなのでしょうか。とっくりはもともと1合、お店によってはもっと小さいのが普通かもしれない。私はというと、60までに一生分飲んでしまったので、今は日本酒なら1合、焼酎半合、ウィスキーはダブル1杯が適量ですと言いつつ・・・時どき適量をオーバー。

             

            No.5628 銀流し銅酒器 小

             口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ300g

            No.5629 銀流し銅酒器 小

             口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ301g

            税込価格 各¥25,300

             

             

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            師走の雨に輝くスイカズラとムラサキシキブ          銀流し銅酒器 小 12本 No.5516〜5526

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              雨上がり

              雪になってもおかしくない季節だが、師走に入って雨が多い。乾燥して土ぼこりが立つよりは良い。標高が高いこのあたりの紅葉はすでにひと月も前に終わっているが、丈の低い木や草はまだ赤や黄色の変化が見られる。

               

              この季節のスイカズラの豊かさ。漆黒の実、深い緑や黄色やえんじの葉、新芽も開きかけている。色変わりした古い葉を紅葉と呼んでよいのか?枯れて落ちる直前の紅葉ではなく、暗赤緑に変色して厚みを感じる革のような質感に変化、筒状の縦巻きでぶら下がって寒さに耐える。白く香りの良い花を咲かせていた頃とは別人の姿。

               

              すでに葉を落としたムラサキシキブの実にしたたる雨滴。翌春にむけて、華奢な枝ぶりに似合わないしっかりした新芽が用意されている。木々の新芽は、葉が落ちて光合成が休止する前に準備しなければならないのだろう。厳しい冬の寒さに大事な新芽が負けるリスクはないのか。腹をすかした野生動物に食べられることはないのか。紫の実に毒はない。目立つ色で鳥に食べられて、タネを運ばせるのだろう。昔、この実で果実酒を作ったが紫にはならず、綺麗な琥珀色の美味しい酒ができた。

               

              5615〜5626酒器小夏以降、何本目だろうか。今回の12本は全て小(1合用)です。10本は東京駅近くの新丸ビル酢重ダイニングへ。

              通常は大小1本ずつ仕上げて行くのですが、今回は錫引き、磨いて硫化仕上げ、さらに磨きの工程を一度に。さすがに12本一気に錫引きはきつかった。覗き込んで内部に錫を流してから底板を打ち込み、再度錫引きで底を接着する。中腰の作業が多く、持ち手のないデザインなので火ばさみ(やっとこ)で持つわけにいかない。250度以上に熱した本体を厚手の作業用革手袋で掴むのだが、左手はいつも火傷寸前の状態。多くの工程で作業する右手より支える左手の方が酷使されるのだが、この作業は特に左手のダメージが大きい。

               

              No.5515~5526  銀流し銅酒器 小(1合用)

               口径約56mm 底径約58m 高さ約140mm重さ約305g     

              税込価格 ¥25,300

               

               

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              初雪に輝くスイカズラとムラサキシキブの実          またまた銀流し銅酒器大小 No.5610,5611

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                スイカズラとムラサキシキブ初雪

                 

                未明の初雪。ほんの少しだけの雪で、注意して見なければ霜かと見紛うほど。日が昇って、とけかかったわずかな初雪が輝くムラサキシキブの実。なんとも思わせぶりな名前で、花の姿を思い浮かべる人はほとんどいないだろう。それぐらい、その実が印象的で妖しい。

                この色を期待して焼酎に漬けたことがあるが、琥珀色の美味しい酒になった。実の色も移りにけりな徒に・・・。

                 

                この日は最低気温がマイナス5度。冬本番にはさらに10度下がるとはいえ、さすがに寒い。なんだか短かった秋もこれでいよいよ終わる。まさに忍冬(スイカズラ)の季節。わずかな雪を飾りに、濡れた漆黒の実が艶やか。

                 

                5610.11酒器大小間で両手鍋を一つ作っただけで、またもや酒器に舞い戻り。昨夕は1週間ぶりに町のジムで筋トレ。腹筋500回と20kgのウェイト引きを400回。普段は300〜500kcalやる足の筋トレは200で時間切れ。筋トレの夜は足がつって飛び起きることが多いが、前夜は睡眠4時間足らずだったので、10時から4時まで爆睡。

                翌日は両手鍋2点の絞り鎚ちと並行して酒器の大小を仕上げ。くしゃみしたら腹筋が痛い。以前は筋トレで筋繊維が壊れて痛みが出ると言われていたが、最近は筋肉の結合組織が壊れて痛みがと言われているらしい。昔は乳酸がどうとか言っていたような記憶。運動生理学の賞味期限は10年ほどらしい。

                 

                No.5610 銀流し銅酒器 大

                 口径65mm 底径69mm 高さ170mm 重さ461g

                 税込価格 ¥29,700

                No.5611 銀流し銅酒器 小

                 口径56mm 底径60mm 高さ140mm 重さ305g

                 税込価格 ¥25,300

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                木の姿は違うが赤い実はよく似ているバラ科の植物たち     銀流し銅酒器のオーダー制作もそろそろ終わりに

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                  サビハナナカマドとベニシタン

                   

                  左はナナカマドですが、たぶんサビハナナカマド。軽井沢では里から浅間連山の亜高山帯まで見られます。秋にはオレンジ色のみが次第に赤く変化し、氷点下になると毒が消えて鳥たちが食べ始める。若い実に毒がある植物はいろいろあって、ピラカンサなども。中のタネの準備が整う前に食べれられしまうのを防ぐためでしょう。子どもがピーマンを嫌うのも、若い緑のピーマンにはわずかに毒があるせいだと読んだことがあります。小さく弱い動物の方が敏感なのかもしれません。

                   

                  右は、日当たりの良い石垣の上に見た赤い実。ずっと気になっていて、ウメモドキかなと思っていましたが、先日インスタに掲載したところ、ベニシタンとコメントで教えたくださった方がいました。一枚の写真で知らない方々といっときの交流ができる楽しさ。ナナカマドの実とよく似ている。イバラの実ともよく似ている。いずれもバラ科の植物。

                   

                  銀座蔵部酒器大小

                  銀流し銅酒器制作の最初の難関は、名前の通り銀流しの作業。正確には銀ロウと呼ばれる銀の合金ですが、融点の異なる何種類もの銀ロウがある。アクセサリーなどの銀細工をする人は、銀で作ったいくつものパーツを銀ロウで接着していきますが、銀ロウの融点が銀の融点より高ければパーツそのものが融けてしまう。次々といろんなパーツを接着していくので、使う銀ロウの融点がそれ以前に使ったものより高いと、前に接着したものがはずれてしまう。融点が高い銀ロウから一段低いものへと順番に使っていきます。

                  写真手前の銀色の板、5cmx20cmの銀ロウですが、それを使いやすいサイズに切ってロウ付け(溶接)に使用します。細かい銀細工をする人は接着したい部分をピンポイントでロウ付けしますが、この酒器は上部に面で銀ロウを流しています。銀ロウの使い方としては邪道です。皿のように水平面に銀ロウを融かして流すのはそれほど面倒ではありませんが、ここでは相手が丸パイプ。水平に置いて上面に銀ロウを流せば、温度が高いと側面から裏面へと融けて流れていく。重力には逆らえない。パイプを回転しながら360度銀ロウを被せてしていくが、パイプを7〜800度の高温に保ちながらの作業は手が4本は欲しい。熱源が3種、銀ロウは大きなピンセット、融けたロウを広げるステンレス棒、一箇所被せるとパイプを少し回転。2本の手しかないので手順を間違えると火傷する。錫引きの火傷よりはるかに高温なので一瞬で焼肉の匂いと皮膚の白い変色。嫌な作業だが、これをクリアーしないと先に進めない。

                  流した銀ロウは、その後の鎚ち絞りや広げと細かい槌目に耐えるだけの厚みが必要なので、消費量は多い。銀の含有率が高いほど融点が高く、色は白く美しい。通常、含有率の高い2分ロウや3分ロウを使用するが、銀ロウ価格は銀の国際価格上昇と円安で、2年前の2倍。広い面積を厚く塗るので、その費用はバカにならない。

                   

                  制作中も度々数えていたにもかかわらず、大が1点足りなかった酒器。急遽一つ追加制作でやっと今日納品できそうです。行き先は間も無く銀座に開店する信州小布施の料理店蔵部。大小合計25点ですが。きっと1日100人ぐらいのお客様がこの酒器でお酒を楽しんでいただけるのでしょう。

                  毎日、家で使ってくださる個人のお客様もいれば、お店でたまたま出会うお客様もいる。秋は静かに・・・手に取った時の一瞬、なにか心地よい予感があるお酒の道具。

                   

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                  斜めの陽射しに輝く多様で繊細な黄色い葉やタネ        急遽納品の銀流し銅酒器 小5点

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                    ヤマブキ黄葉とネコジャラシ

                    秋深まり、陽射しが斜めに当たる時間が長くなるにつれて、枯れる前の草や木の葉が表情豊かになっていく。朝焼け夕焼け同様、斜めの陽射しは赤が強調されるようだ。ヤマブキの葉が黄色く色づいている・・・なんて定型的表現では表しきれない。緑からオレンジ色までさまざまな部分がある。クレヨンや色鉛筆にあった山吹色はどのあたりだろうか。ヤマブキの花は黄色で山吹色ではない。

                    山吹色とよく似た橙色(だいだいいろ)も、今やぴんとこない。橙そのものが正月の飾りぐらいしかお目にかからない。オレンジ色より黄色に近いのだろうが、オレンジにもさまざまな色のものがある。

                     

                    「草原の輝き」といえば当たり前のように春の草原を思い浮かべるが、日の出間も無くの朝露が光るネコジャラシ。冬枯れの前のいっときの輝き。花よりも繊細は陰影。タネには翌年へと命を繋ぐ力がある。輝いて見えるのは、黄金色の稲むらばかりではない。外へ発散する春と内に秘める秋。

                     

                    5583~87酒器小オーダー時の手違いで、銀座に開店する予定のレストランの他にももう1軒開店予定の店のオーダーが発覚。そちらの方が早く必要ということで急遽、酒器小を5点仕上げて、すでに仕上がっていた大5点と一緒に納品。綱渡りの日々。世間は3連休とかで賑わっているが、連休前日に食料やガソリン・灯油を買い物を済ませて、この3日間は蟄居・制作。まだ25個ほど仕上げる予定です。

                     

                    No.5583〜5587 銀流し銅酒器 小

                     平均 口径56mm 底径58mm

                     高さ140mm 重さ305g

                    税込価格 各¥25.300

                     

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                    ゲンノショウコの最後の勇姿。オオブタクサ花粉症の顛末記。  作った先から納品し続ける酒器 No.5581,5582

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                      ゲンノショウコとオオブタクサ

                       

                      白や薄いピンクの花を咲かせていたゲンノショウコの最後の姿。実をつけて、タネを飛ばして仕事を終えたところ。去年は隣の公民館の周辺に赤いゲンノショウコも咲いていたが、草刈りで消えてしまった。草むらは短く刈られて、花壇に一面のサルビア。誰かが植えたユウスゲが区画された花壇にぎっしりと咲く。半世紀前の軽井沢にはススキの草むらにワレモコウやオミナエシ、ユウスゲが混じり、足元にはゲンノショウコやリンドウ、マツムシソウなどが混然と咲いていた野生の風景。「美は乱調にあり」

                       

                      右はオオブタクサですが、一般的にはブタクサと呼ぶ人が多い。本当のブタクサは敗戦後の日本にやってきて、ヨモギと同じようなサイズと姿。ヨモギの生えているところに広がり、花粉症の原因になった。私は6歳の頃から発症したので70年近い。当時は花粉症、アレルギー性鼻炎などという名前もなく、ほとんどの医者さえ存在を知らなかった。今でもスギ花粉症が広がるまで、日本には花粉症患者はいなかったなどという専門家さえ存在する。専門家の中には、自分が知らないものは存在しないと思っている人もいる。

                      当時、医者にかかっても子どもの私が逆にブタクサの花粉でくしゃみは鼻水、涙が止まらなくなるもので、原産国のアメリカではヘイフィーバーと呼ばれているなどと説明しなければならなかった。当時もちろん薬はない。なぜ、子どもの私が知っていたかというと、父親も祖父も同じ症状だったから。季節になると家中でくしゃみが鳴り響いていた。ブタクサは20年ぐらいで激減したかが、その後オオブタクサが代わりに入ってきて猛烈に広がっている。3m近くに成長し密集した群落になる。

                      父も祖父も歳とるに従って軽減したが、抗原抗体反応が弱くなるからだろう。ということは感染症にかかりやすくなるということだろうか。私も60ぐらいから症状が軽くなってはいたが、今年は10年に一度というぐらい重症で、9月初旬の日本橋三越展示が終わったあたりから症状が出てきた。一ヶ月続き、10月初旬の銀座三越展示の終わり頃に軽くなってきた。くしゃみ・鼻声・涙目で、ただでさえ接客向きでない人間が悲惨な状態。

                      10月に入って雨や低温の日がなんどもあり、さすがの花粉も減ってきたころ、今度は咳と痰、喘息の症状がでてきた。春のスギ花粉の時期も軽い喘息がでるので、花が終われば治るだろうとほったらかしていたが、症状は悪化し、咳と痰が止まらない。とくに寝る姿勢で激しくなるので、上体を起こしたままで寝て、それでも咳き込みで睡眠時間は毎日4時間ほど。普段でも5〜6時間なので、堪え難いほどではないが昼間眠い。仕事が詰まっているので、展示会終了後も毎日14〜5時間労働だが、縦になっていると楽なので、仕事には支障がない。

                      二ヶ月ごとに検診を受けている内科に行き検査すると、喘息は間違いないのだが、肺炎の可能性もあるということで、吸入と点滴。点滴は生まれて初めての経験で、テレビドラマのような光景だなと呑気に眺めていた。点滴前に血中酸素濃度を測定すると92。コロナで流行った指先をくわえて測る小さな道具で、実物を見るのは初めて。92といえばコロナ中症で入院の程度。点滴後に測りなおすと逆に下がって87。そんなはずはないと測定器をいくつもかえて測ってもみんな87。コロナなら重症病棟行きの数字。昏睡状態になってもおかしくないはずなのに、息苦しくもなんともなく、検診後も普通に仕事再開。薬が効いているのだろう、その後は咳も軽減し、3時半に起きて仕事開始。私は病人なのだろうか???わからんことばかりだが、犯人はこのオオブタクサだと、それだけはわかっている。検診から1週間でほぼ完治しました。

                       

                      5581,5582酒器大小旧軽銀座のギャラリーDark Eyesに納品した銀流し銅酒器の大小。この後、30個ほど仕上げを控えている。銀座に来月開店するお店と銀座三越常設分。Dark Eyesもすぐに追加が必要になるだろう。いずれも「銀座」・・・。

                      オオブタクサの喘息騒ぎは終了。後遺症というほどではないが、肘の内側に大きな青アザが残っている。生まれて初めての点滴の跡。適当な血管が見つからずあちこちなんどもやり直した。スタッフの女性が痛いでしょうと申し訳なさそうにしていたが、痛みは蚊が刺した程度。採血の場合でも血管に針をさすところから注射器に血が流れ込むまでを見ているが、女性に比べて男性患者は目を背けたり痛がったりするケースが多いという。男の方が意気地ないのか、育児経験がなく怪我や出血の手当をする経験が少ないのか。

                       

                      No.5581 銀流し銅酒器 大   

                       口径66mm 底径68mm 高さ172mm 重さ459g          税込価格 ¥29,700

                      No.5582 銀流し銅酒器 小   

                       口径57mm 底径58mm 高さ141mm 重さ297g          税込価格 ¥25,300

                       

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                      季節は初秋から初冬へ、野菊もシオンからノコンギクへ     銀流し銅酒器を作り続ける No.5571〜5580

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                        シオンとノコンギク

                         

                        銀座三越展示の後しばらく、銀流し銅酒器ばかり作っていてブログの更新がストップしていました。その間に、季節は初秋から一気に晩秋、ほとんど冬といっても良いほど冷え込んでいます。氷点下の早朝もあり、紅葉はカエデが真っ盛りで、都会より一足早い秋を見に観光客も大勢。

                         

                        野菊の季節はすでに終盤で、ノコンギクがちょっと寂しげに晩秋の趣。花だけ見るとシオンもノコンギクもそれほどの違いがありませんが、現場でで圧倒的にシオンの方が存在感があります。勝手に生えている野草という感じがしない。そのことには好き嫌いがあるでしょうが、女王と庶民。

                         

                        今年のシオンは背丈が腹から胸のあたりの株が多い。なぜか、町中がほぼ同じぐらいの背丈である。きっと来年は一斉に150cmを越える高さになるのだろう、そして次の年は一年お休みだろうか。また膝丈ぐらいからやり直し。なぜ町中がシンクロするのだろうか。秋を楽しむ間も無く、冬がやってきそうだが、冬本番はさらに15度以上下がるので、こんなものではない。コスモスから野菊の季節へ、のはずが野菊もすぐに終わりかねない気温の急降下。この辺りで野菊といえばヨメナではなくノコンギクが多い。いかにも地味だが、下向いている私には馴染む風情の花。冬枯れの季節には小さな綿毛のタネ、そのタネも飛び去ったあとに残る星型もいい。

                         

                        5571-80酒器大5点銀流し銅酒器大小を40個ほど作っている。旧軽銀座のギャラリー、銀座に開店するレストラ蔵部、銀座三越エムケイ・クラフト 常設売り場・・・なぜか銀座に縁がある・・・お金にはとんと無縁なのだが。一ヶ月間ほとんど酒器ばかりで、この記事も更新が少なくなる。在庫も少ないまま。このまま年末を迎えるってわけにはいかないだろう。

                         

                        No.5571〜No.5580

                        銀流し銅酒器 大

                         口径約66mm 底径約69mm

                         高さ約170mm 重さ約462g

                         税込価格 ¥29,700

                         

                         

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                        昨日で中日を越えた銀座三越展 現品の他にもお客様の好みでカスタムメイドの銅鍋を          日々変わる秋の気配に、お酒が美味しい季節の到来です

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                          231007朝焼け10月に入って、大陸の高気圧が秋雨前線を列島から遠ざけ、好天が続いています。しかも、揚子江付近の高気圧とともに中国東北部からロシアにかけての高気圧がダブルでやってくるため、気温がぐんぐん下がり、連日早朝は5度を切る寒さ。夕焼け空と間違えそうですが、昨日7日の朝焼けです。標高1,000m以上の仕事場からですので、低い雲は手が届くような近さにあり、高いいわし雲だけが朝日で赤く染まっている。今朝も寒い。ストーブの季節到来です。

                           

                          2310銀座三越34日から開催の銀座三越展も昨日が中日。会場写真に写っているものも、すでに現品はお買い上げいただいたものがいくつもあります。写真のこれがとか、サイズ違いがとかのご要望でオーダーいただけます。特に、両手鍋・片手鍋・フライパンなどレギュラーに作っているものは、ご要望に応じてサイズや縦横のバランスなどをご相談しながら作るカスタムメイドを承ります。会場で気軽に声をお掛けください。

                           

                          5569酒器大先月の日本橋三越展では大きい酒器2点が先に売れてなくなり、今回はなぜか小さい方2点が売れてしまいました。大きい方(2合用)は2点残っています。1合用もオーダー承ります。

                           

                          月を背景に秋風にそよぐススキを眺めながら一杯、夕日に輝く紅葉を愛でながら一杯、木枯らしに負けずに燗酒を一杯、雪見で熱燗を一杯・・・お酒を飲む理由に事欠かない季節が続きます。

                           

                          No.5569 銀流し銅酒器 大 2合用

                           口径69mm 底径68mm 高さ169mm

                           重さ457g

                          税込価格 ¥29,700

                           

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                          日本橋三越展の前後に作った酒器大小4点 No.5560,5561,5563,5563

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                            5569,61,62,63酒器大小

                             

                            制作に追いまくられて作品の紹介が遅れています。

                            左は9月初旬の日本橋三越展示中に、台風で1日お休みをいただいて仕上げた酒器の大小。左は日本橋三越展が終わって、最初の仕上げ。次の展示に向けての過酷な制作スケジュールの、言わば小手調べ、肩慣らしにはいくつあっても足りない酒器がちょうどいい。なんて余裕のある話ではなく、次の展示10月4〜10日が終わったら速攻で25個作らなければならない。ポックリいってしまえば後は野となれ山となれなのだが、病気や怪我で足踏みは許されない。気合を込めて赤い背景で撮影してみました。

                             

                            No.5560 銀流し銅酒器 小 口径57mm 底径58mm 高さ141mm 重さ302g

                            No.5561 銀流し銅酒器 大 口径65mm 底径68mm 高さ171mm 重さ459g

                            No.5562 銀流し銅酒器 大 口径65mm 底径68mm 高さ170mm 重さ457g

                            No.5563 銀流し銅酒器 小 口径56mm 底径57mm 高さ140mm 重さ303g

                             

                            酒器 大 税込価格 ¥29,700     酒器 小 税込価格 ¥25,300

                             

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                            仕事場に生える草、雑草と片付けるには美しいゲンノショウコとヒメジョオン       銀流し銅酒器の大小 No.5551、5552

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                              ヒメジョオンとゲンノショウコ

                               

                              道端にはゲンノショウコの花。小さなその姿には似合わないごっつい名前。「現証拠、現之証拠・・・!」修験者・山伏が唱える霊験あらたかな文言か? 神仏はともかく、昔はどこの家にも常備されていた薬効あらたかな煎じ薬。昭和の30年ごろまでは、夏休みに小学生が刈り取って干し、学校の図書購入費用にしていたと聞いてこともある。

                               

                              右はヒメジョオン。早い季節に咲くハルジオンとよく似るが、花びらの数が少なめで幅はいくらか広い。と言っても並べて比べないとわかりにくい。ハルジオンの蕾は垂れ下がると言うが、この写真のようにヒメジョオンでも垂れていることがある。見分けやすいのは茎の断面で、切った時に中空なのはハルジオンで、白く詰まっているのがヒメジョオン。どちらも貧乏草と呼ばれ、貧乏な家に生えると言う・・・・むむむむ。外来植物なのでそれほど昔からの言い伝えではないだろうが、勝手に生えているのならゲンノショウコのほうがいい。

                               

                              5551,5552酒器大小このところ、週2回のペースで銀流し銅酒器大小を作っている。みんなほぼ同じ形なので、見分けがつくように背景の色をかえている。出品予定の他にオーダーや常設店もあるので、9月初旬の展示会までもう2回は作らなければならないだろう。

                              子どもの頃から朝の目覚めは早く、今も平均すると冬は4時、夏は3時半。それが、この二週間ぐらいは3時前に目が醒める。これは朝というより夜のうちに起きる感じで、鍋屋のはずが豆腐屋さんやパン屋さんになった気分。夜は平均10時に寝る。明らかに睡眠時間が不足している。長時間寝るにはそれなりの体力が必要だと言われるが、借金するにもそれなりの財産が必要というようなものか。

                               

                              No.5551 銀流し銅酒器 大

                               口径66mm 底径68mm 高さ171mm 重さ461g

                               税込価格 ¥29,700

                              No.5552 銀流し銅酒器 小

                               口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ301g

                               税込価格 ¥25,300

                               

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                              「日本建築 集中講義」寝転がってみる有名建築、藤森照信さんと山口晃さん     No.5548,5549 銀流し銅酒器 大小 

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                                日本建築集中講義題名が「日本建築集中講義」ということで、建築学専攻の学生向きの本かと思いきや、一般向けの見学旅行雑談です。案内役は建築家の藤森照信さんと画家の山口晃さん。取り上げられた十数か所の建築を見たことがなくても、弥次喜多道中風のお二人のやりとりに引き込まれることうけあいです。あっちこっちの有名建築物に入り込んで、ゴロンと寝転がって眺める建築家の藤森さんと、少々うろたえながらついて歩く画家の山口さん。会話を文字起こしして編集した編集部の苦労と楽しさ。足音や息遣いまで伝わってくるような文章。名所旧跡を巡るなら、その前に頭の柔軟体操ですね。

                                 

                                この本にも番外で取り上げられているが、出身地の諏訪地方に藤森さんが設計された不思議な茶室や神長官守矢資料館を訪ねたことがある。信州というと山国のイメージだが、いくつかのルートで日本に人間が渡来した頃から、信州の中央部は異なる文化と社会が交錯する地域という印象を感じる。藤森さんの目には古くからの代表的な日本建築にも、実は交錯するいくつかの文化や暮らしが見えるのだろう。


                                山口さんの絵の面白さを味わうには、文庫サイズより古本の単行本がおすすめです。

                                 

                                5548,5549酒器大小前夜仕上がる予定だったが、例によって錫引きイヤダイヤダ病で翌日に持ち越し。昼間、雷がやってきて、作業の途中で停電したら困るというのを言い訳にや夜までサボり、9時にやっと完成。今年は雷がずいぶんと騒いでいるが、その割には落ちない。から騒ぎ。なのでまだ一度も停電しない。子供の頃は夕立が始まると外で遊べないので、風呂に入ることが多かった。たびたび雷で停電するため、風呂場にはローソクとマッチが常備されていた。

                                酒器の大小、今月中にもう3組ぐらい作りたい・・・と宣言しておかないとサボる。今日は仕事場から一歩も外に出ずに一日が終わってしまった。

                                 

                                No.5548 銀流し銅酒器 大

                                 口径67mm 底径68mm 高さ170mm 重さ456g       税込価格 ¥29,700

                                No.5549 銀流し銅酒器 小

                                 口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ305g       税込価格 ¥25,300

                                 

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                                突然消えたオニユリの復活。分類と命名の混乱するゼンテイカ  毎度かわりばえのしない酒器 大小

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                                  オニユリとニッコウキスゲ

                                   

                                  オニユリが1本だけ咲いた。まだ背丈は低く、花の数も6個。以前、同じ場所に5〜6本咲いていたが、あるとき突然消えてしまった。掘り起こした跡もなく、葉や茎も散らばっていなかった。イノシシなら花で掘った形跡が残る。以前、サルがヤマユリを食べるのを観察したことがあったが、10cmぐらいに伸びた茎を引き抜き、根元の白い部分をかじって上の緑に茎や葉は捨てていった。花が咲く寸前に蕾の先をかじって雄しべだけを食べることもある。たまに見かけるカモシカだろうか、夜に徘徊するクマだろうか。シカの群れを見かけたことはない。頭の黒い2本足の動物かもしれない。

                                  オニユリの花をつくづく見ていると、色は少し違うが、茹でたばかりのタコを思い浮かべる。一度そう思うと、連想はなかなか消えない。

                                   

                                  右の写真を見てニッコウキスゲとわかる人は多いが、正式な名前のゼンテイカで呼ばれることは少ない。まして禅庭花に至ってはパソコンで漢字変換できない。亜高山に多い花で禅寺の庭にありそうもなく、名前の由来もわからない。単子葉類〜キジカクシ目〜ススキノキ科の植物とされているが。キジカクシもススキノキも知らない。生物の名前ってもう少し判りやすく覚えやすくならないものだろうか。ご本尊は自分が何と呼ばれているかなんて知る由もなく、人間の都合で名付けられているのだから。

                                  仲間の花も多く、花の色が薄いキスゲ(ユウスゲ)。色が濃いカンゾウ、ヘメロカリスなどと言う古生代の動物みたいな名前の園芸種もある。学生時代に覚えた頃は、これらはみんなユリ科とされていたはず。食材として売られている金針菜は百合の花とされていたが、この仲間の花を干したもの。分類して命名することによって、認識の混乱が進む。

                                   

                                  5545,46酒器大小毎度おなじみの銀流し銅酒器の大小。暑くなる前の午前中に錫引きを終えて完成。現在、秋に開店するお店からのオーダー多数と個人のお客様からのご注文、来月初旬の展示会用と、いくつ作っても追いつかないところ。作業の最初に銀ロウを高温で銅の表面に融かして被せる工程と、最後に融かした錫を内部に塗りながら底蓋を固定する作業は、暑い夏の盛りには嫌だ嫌だと言いながら、それなら高冷地の長い冬の間に作りためておけばよいものを・・・1日のスケジュールさえその通りにいかない人間が、1年の計画など・・・。

                                   

                                  No.5545 銀流し銅酒器 大

                                   口径67mm 底径68mm 高さ167mm 重さ455g    税込価格 ¥29,700

                                  No.5546 銀流し銅酒器 小

                                   口径56mm 底径58mm 高さ140mm 重さ306g  税込価格 ¥25,300

                                   

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                                  暑さに目立つ大きな黄色い草花、キクイモモドキとビロウドモウズイカ      銀流し銅酒器の大小 No,5540,5541

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                                    キクイモモドキとビロウドモウズイカ

                                     

                                    足元の小さい花は色と形が様々ですが、暑さが進むにつれて背丈のある草花は黄色が目立つ。ひまわりを代表に、ギラギラ輝く太陽に向かって行くようだ。元々は観賞用に栽培されたものでも野生化して、堂々とした姿のが多い。一口に黄色と言っても淡い色からオレンジに近いものまで。

                                     

                                    群生するキクイモモドキは元祖キクイモより早くたくさんの花を咲かせている。掘り返してみなければ芋があるかどうかわからないのだから、キクイモの擬きとされるのは不当な扱いと思う。キクイモにあやかってとか、その姿に似せて何か得をしようというさもしい魂胆があるわけではない。キクイモには食べられる芋があるが、特段美味い訳でもなく、その薬功がひじょうに期待されている訳でもない。メジャーな存在ではないキクイモの偽物という名前は失礼だろう。

                                     

                                    日差しの強まりとともにビロウドモウズイカが咲き始めた。火事場の何もないところに芽生えて2年目。大きなものは2m近くになる草だが、これはまだ背丈30cmほど。花茎は短いが花そのものは普通サイズ。

                                     

                                    大きく厚手の葉にびっしり細かい毛が生えているので、ビロウドというのはわかるが、モウズイカとはなんだろう。毛蕋(蕊)花と書くらしい。毛は解る。蕋・蕊はどちらも雄しべ雌しべのしべを指すが、花を見る限り特段しべが目立つことはない。モウズイカ属には多くの種があるが、日本在来種はない。ネットのサイトによっては野生種はないと書かれているが、野生化しているのでこの言い方はおかしい。一度見たら忘れられない姿。

                                     

                                    5540,5541酒器大小いつも造っている気がするのですが、それでもいつも在庫がない。年内に大小30本以上必要。たまたま店頭で見かけたら、チャンスと思ってください。もちろん直接のオーダーも受け付けています。

                                    この酒器制作は最初の銀ロウを融かして塗りつける工程と、最後の中を覗き込みながら錫引きの工程が暑い季節は鬼門。どの工程一つでもサボれば仕上がらない・・・トホホ・・・まとまった夏休みなんて、今若い人たちに流行りの異世界転生でもしないことには・・・。

                                     

                                    No.5540 銀流し銅酒器 大

                                     口径66mm 底径68mm 高さ168mm 重さ457g     税込価格 ¥29,700

                                    No.5541 銀流し銅酒器 小

                                     口径57mm 底径58mm 高さ139mm 重さ303g      税込価格 ¥25,300

                                     

                                     

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                                    子どもの世界代表アカトンボ、大人の世界を垣間見るシロヒトリ  No.5539 銀流し銅酒器 特大500ml 試作品

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                                      アキアカネとシロヒトリ

                                       

                                      斑入りのギボウシにとまる、たぶんアキアカネ。ナツアカネとアキアカネの違いは現場でわからない。撮った写真と図鑑やネットの写真を見比べても自信が持てない。黄色い胸の黒い模様で見分けるらしい。いくら大きな眼クリクリさせても、惚れた相手はなっちゃんなのか、あきちゃんなのか、翔ながらわかるのだろうか。そんなことは無頓着に赤とんぼと呼んでいた子どもの頃がなつかしい。

                                       

                                      朝の草むらにシロヒトリ。夜行性なので、これからお休みの時間。アメリカシロヒトリは誰でも知っているが、この純白の衣装は白無垢の花嫁か、はたまた雪女か。前脚にちらっと赤が見えるが、裏返すと赤や黒の模様があるらしい。それもまた妖艶な・・・。

                                      ヒトリガの仲間はたくさんいて、それぞれ美しい姿。「一人蛾」ではなく「火取蛾」。灯取蛾、燈盗蛾・・。夜、灯や火の周りを飛び周り、時には焼け死ぬ。飛んで火に入る夏の虫・・・ちょっと艶っぽく

                                       

                                      5539酒器500ml旧軽井沢のDark Eyes からの問い合わせで、お客様が500mlの酒器の価格と納期を知りたいと連絡。ふだんは1合用と2合用を作っています。さて真ん中が2合用の素材となる銅パイプに銀ロウを流したところで、同じ直径のパイプでは細長くなりすぎて不安定。すこじ太いパイプでも高さは4cmほど高くなりそう。

                                      パイプの状態のままなら、容積は内径X内径X0.785X高さになるのだが、上下の内径は鎚ち伸ばし、中心部は絞っているので、容積は変わってくる。とりあえず試作してみて、容量を測ってた傘を調整すればいいだろうと取りかかる。太いパイプで肉厚も0.5mm厚い2mmのもの。

                                      試作して容量から高さを確定するつもりが、結局製品として仕上げてしまった。お客様は見積もりのお問い合わせなので、もちろん気に入らなければ戻して貰えば良い。ちょっとスリムな3合徳利・・・狸がぶら下げているのとはだいぶ違いますが。

                                       

                                      No.5539 銀流し銅酒器 特大500ml

                                       口径72mm 底径74mm 高さ200mm 重さ745g 

                                      税込価格 ¥40,700

                                       

                                       

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                                      右も左もはびこる外来種の中で・・・ドクダミとカタバミ    No.5534 5535 酒器の大小        

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                                        ドクダミとカタバミ

                                         

                                        「生まれた土地は荒れ放題・・・・右を向いても 左を見ても ばかと阿呆のからみあい」

                                        今の軽井沢、どこからかこんな古い歌が聞こえてきそうな・・・豊かな自然を謳いつつも、人寄せのためなら切り売り切り捨てていく。子どもの頃の軽井沢、幕末の頃、500年、2000年前・・・時代は変わり、自然も変わることは何もおかしいことではないが、その原因と仕組みに納得できるかどうか。早い者勝ちのあぶく銭欲しさに右往左往してはいないだろうか。

                                         

                                        ドクダミという名前、くさい臭い、便所の外によく生えている、花言葉の一つに『自己犠牲」・・・いろいろと印象の悪い花ですが、日当たりのよいところでもよく咲いている。毒どころか「十薬」と呼ばれるほどの薬功があり、お茶にもなり、天ぷらにすれば匂いは消える。白い花びらに見えるのは苞で、真ん中の黄色い塔が花の集合体。宝珠のような蕾もいい。
                                         

                                        アップにすると鮮やかだが、地際に咲く小さな花はむしろ地味な印象のカタバミ。酸っぱい草で、虫刺され、解毒、下痢止めに効くというが、試したことはない。葉の形がクローバーに似る上に、同じような場所に生え、混在することもある。分類的には全く他人の空似。外来のクローバーに対してカタバミは古くからの在来種だが、日本固有種ではない。世界中に分布しているので、大昔にやってきたものかもしれない。日本列島に文字の記録が始まったのはほんの1,500年前からで、人間の往来は4万年前から。植物の往来はさらに遥か昔から。

                                         

                                        5534,5535酒器大小先月は両手鍋を中心に作ってきたため、数はあまり進まなかった。自称「ブラック自営業」の長時間労働でも、平均すればせいぜい3日で一つのペース。夏の軽井沢と8月末の日本橋三越展に向けて今月は数をこなさなして在庫を増やさなければ・・・なのですが、この銀流し銅酒器の大小もすぐに納品予定。在庫の山をかかえて売り先に四苦八苦・・・なんて夢にも見ない状況だが、売れて売れて困っているわけではなく、作れる数が少ないだけです。在庫も財産も残らない・・・・・などとぼやいているうちに、7月も半ば。

                                         

                                        No.5534 銀流し銅酒器 大

                                         口径66mm 底径69mm 高さ169mm 重さ451g 税込価格 ¥29,700

                                        No.5535 銀流し銅酒器 小

                                         口径56mm 底径56mm 高さ140mm 重さ299g 税込価格 ¥25,300

                                         

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                                        忙しくフランスギクの花粉を食らうハナムグリたち2種             斜め後ろの姿、かんつけ No.5528

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                                          ハナムグリ

                                          左はフランスギクの上を忙しく動き回るハナムグリ? 蜜を吸うのではなく花粉を食べているのだろう、ぐるぐる回る。ハナムグリの他によく似たアオハナムグリとコアオハナムグリがいるらしいが、私には見分けられないし、写真を1枚とったところで飛んで行ってしまった。食事の邪魔をして悪かったが、そこいらじゅうにスランスギクは咲いているので、次の花でまたガツガツ食らっているだろう。名前の由来は「花潜り」なのですが、じっと花に潜っているどころか、いっときも休まず花の上を忙しく歩きまわっている。

                                           

                                          右はたぶんコアオハナムグリ? まったく自信はありませんが。左に比べると渋い色合いだが、この仲間は翅の色がいろいろ変化するらしい。何種類かいて、全国に分布するので場所によって見分けることはできない。大きさや毛の生え具合、翅の白斑などの違いが図鑑には書かれているが、写真を撮っているうちに何処かへ飛んでいってしまう。

                                          子供の頃、カナブンとかコガネムシとかハナムグリとか、どこにでもうじゃうじゃいた。子供の頃の比べて、印象としては虫は10分の1に減ってしまった。温暖化でも都市化でもなく、殺虫剤や除草剤のせいだろう。人間の勝手な都合で撒かれた毒は人間の健康にも影響しないわけがない。

                                          5528かんつけ底以外は全て曲線で構成するかんつけ の姿。私の好みとしては、斜め後方からがいい。真後ろからではふくらみが強調されすぎるし、前からではとんがりすぎる。真横からは躍動感に欠ける気がする。しかし、良くいえば見る角度によって表情が変化していく。見て愛でられ、手の中で愛しまれ、酒飲みにいつまでも愛しまれるといいですね。

                                          No.5528  かんつけ 
                                           全長222mm 本体長189mm

                                           全高139mm 本体高86mm
                                           幅120mm  重さ574g

                                             適正容量 〜420ml
                                          税込価格 ¥82,500

                                           

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                                            ひろ
                                          • 春の雪にまだ硬く防寒態勢のオオヤマザクラの花芽 No.4808,09 銀流し銅酒器 小大
                                            ひろ
                                          • 銅蓋につく真鍮のつまみ/工程と形について  The brass knob of copper pot lid / About the shape and the production process.
                                            あい
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                                          • No.4030方形鍋とNo.4004卓上炉
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