スーパーで地元の牛乳数種類が1リットル200円を超えた。まだ180円ぐらいのものもある。物価上昇を嘆いているのではない。もっと高くてもいいはずだ。薬品で味と匂いと色をつけた炭酸水の方が高い値で売られている。地下水をペットボトルに詰めて、牛乳より高く売っている。牛乳を飲もう。
酪農は今、大ピンチ。経費が跳ね上がり、仔牛に値がつかず、赤字経営。廃業の嵐が吹き荒れそうだ。荒川弘さんがこの農業エッセー漫画を描き始めたのはもう13年も前。当時でも食料自給率は40%。状況は改善どころか、TPP、パンデミック、円安が農業を襲っている。輸入飼料や肥料の値上がり。低賃金と円安で来年は技能実習生が来るのだろうか。
1リットル200円の牛乳のざっと半分が生産者に入るとして、流通と販売が100円。価格を300円に上げれば生産者に200円払える。300円でもコップ1杯60円。これからも安全で美味しい牛乳を飲むために消費者ができることは、まずはたくさん飲むことだろう。牛乳が不足して価格が上がるぐらいたくさん飲もうよ。
写真左は地元産の牛乳。前列左のジャージー牛乳だけは1L300円を超えるが、他は200円前後。他のスーパーに行けばさらに数種類の地元産が手に入る。県内産のブランドはさらに多い。長野県の酪農牧場は標高の高いところに多い。輸入部分が多い餌代や燃料、電気の値上がりで多くの酪農家はすでに採算割れしているが、乳牛は毎日搾乳しないと病気になる。行政は牛を殺せという。バターやチーズも関税を撤廃して輸入しているため、国産の在庫は余っている。経営を続ければ赤字で借金はかさむ一方の農家。離農が増えるだけではなく、命まで断つ農家も。工場で大量に薬品と炭酸で作られる色付き水より牛乳を飲もう。自販機で飲み物を買うなら、ほんの一手間かけてコンビニやスーパーで牛乳を買おう。行政は牛乳を買い上げて学校でもう1本。子ども食堂や福祉施設にも配ればいい。
先月下旬、牛・豚・ニワトリを連れて畜産酪農農家が農水省前で陳情に集まっている写真が報道された。飼料代の高騰で農家は生存の危機にある。農家の保護政策が手厚いフランスでさえ、多くの農家がトラクター連ねて公道をデモ、道路は大渋滞になるだろう。国産の牛乳や肉生産されなくなれば、消費者も大げさではなく生存の危機。規制がゆるい日本には生産国では許されていない薬漬けの肉も入ってくるし、円安で輸入品も値上がり。
スーパーで国産の乳製品を買いに行って感じたこと。バターはせいぜい3〜4社で100g あたり150円前後。ふだんはパンにオリーブオイルやドレッシングをかけてトーストしているが、バターに切り替えるとオリーブオイルの2倍程度の価格。ドレッシングとは同じぐらい。これなら毎日バターにかえてもなんとかなりそうだ。脂肪分が3.6%の牛乳からバター100g作るには3リットル必要だ。
チーズはこれまでヨーロッパ産ゴーダやサムソー、チェダーなどのナチュラルチーズを500g〜1kgの塊で買っていたが、それに相当する国産品が見当たらない。少量のパックで、さらには小さく薄く切れているものも多い。確かに手が不自由だったり忙しい人には便利だろうが、肉にもスライスと塊り肉があるように、たくさん使う人には塊のままの大きなものも欲しい。輸入品より20%程度高くなるかもしれないが、それでも余計な加工や包装をしなければ、100g200円程度で販売できるのではないだろうか。豚肉のロースやバラの値段だ。
このところ、確実に内面の滑らかさを求めて仕上げ鎚ちの手順を変えている。右はフライパンの内面、仕上げ鎚ち(均し鎚ち)が終わった状態です。フライパンは鍋より高温で使うために、凸凹があると凹みに汚れが残り、黒く焼き付いてしまう。揺すったりもするので、内面は特に滑らかに仕上げたい。
仕上がりはとても良いのだが、やはり時間がかかった。もう半分の時間でスッキリ鎚ち上げたいところ。未だ、手順に迷いや力みがある。あらぬことを妄想しながらでも、手は滑らかに進んで、いつの間にかきれいに仕上がっている・・・なんて境地に達したいものだ。
仕上がったフライパン。ふだん作っている一番小さいフライパンとその上のサイズの中間。左手持ち。持ち手の長さも指定されていて、直径は18cm。持ち手の素材、真鍮の丸棒も10mm径と太めのものを使ったので、小さいながらもどっしりした感じに仕上がっています。若い男性が使う予定です。
No.5463 フライパン 左手用
口径182mm 本体高46mm 持ち手長158mm 重さ552g
税込価格 ¥48,400